第2話 日常の終了

 僕は、公立の高校に通う普通の高校生だ。友達は居るし、女子とも普通に会話ができる。普通に友達と会話をして、普通に馬鹿笑いして、普通に女子に「頭大丈夫?」と言われる。

 毎日、そんな風な日常が続くと思っていた。誰もがみんな思うだろ。  

 だけれども、日常というのは常に同じことが繰り返されないようになっているんだ。日常というのは、様々な違う出来事で組み合わされたパズルのようなものなんだ。


 ある日の夕方。学校が終わり下校することになった。部活動やアルバイトをせずに、受験勉強で忙しい僕は塾に通っているのだが、その日は塾も休みで、休みの時にいつも帰っているメンバーも用事があるということで一緒には帰らなかった。

 だから一人寂しく、歩いていると……何かあるわけでもなく普通に家に着いた。この日は、母親も用事があったようで外出していて妹も、部活でまだ帰ってきていなかった。父親は一家の大黒柱として働きに出ているので居るわけがない。

 自分の部屋に戻り、いつものように楽な格好に着替えてゲームをやろうと思ったけれど、なぜかその日は調子が乗らず思うようにゲームを進めることが出来ずコントローラを床にたたきつけ、少しした後、壊れていないかを確認して壊れていないと分かり、一安心した。そのあとは、特にやることもなかったので寝ることにした。


 はい、ここで僕の記憶は途絶えました。


 次に目覚めた時。いや、目覚めるときに感覚としてあったのはひんやりとしたという感覚だった。冷たい! という感じではなくて、涼しいという感じだったのでそのまま目を閉じながらゆったりしていたけれども、よくよく考えてみると暖かいベットで寝ていたはずなのに、なんでこんなにひんやりしているんだ? と、思うようになり目を覚ました。最初は真っ暗で何も見えない状態だった。だから頑張って、スイッチを探したさ。普通であればあまりの事態に言葉を失い立ち尽くしてしまうと思うが、僕はそこまで普通では無かった。

二本足で歩くことさえなかったけれども、四本足で前に向かって前進していった。

 なぜ前進したのか? と聞かれれば、よくは分からない。その時とっさにそうしてしまったのだ。理由はない。

 前進していくと、突然頭に衝撃が走り「痛い!」と言葉を発した。

 言葉通り、僕は頭をぶつけ、頭を抱えた。だけれども、目の前に壁があるということが分かったので、僕はそこで初めて立ち上がることにした。人類も、きっとこんな感じで進化をしていったんだろう。何かの壁にぶち当たったら、立ち上がればいいということだ。

 そのあと、どっかの本で読んだことがある知識で壁伝いであるくという知識を生かして、僕は歩いていった。そして、これまた突然手に感覚を覚えた。

 今度は突起物だった。触ってみるとスイッチのようで、僕は躊躇なくそのスイッチを押した。


 光は現れ、世界は暗黒の世界から色彩豊かな美しい世界へと変わった。


 文才的に書くとすればこんな感じだ。光といっても薄明りだけれどもね。

 そして、僕は気づいたんだ。この部屋の広さ、そして何も置いていなくて、ドアもどこにもないということに。そして、


「……メロンパン」


 メロンパン病の女の子がいるということに。

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