第4話 道具の使い方
ロムは唖然とした。
今までからっきし魔法を使えなかったロムが今は両手に雷を宿している。
「素晴らしいだろ!今までやってきたことがバカみたいに思えるほどにぃ!!」
銀色が360度回転させながら、
義手をガチャガチャ鳴らしている光景はなんとも不気味なものだ。
だが、確かにこれはすごい。
まだ意のままには操れないがこんなにも簡易的に魔法を発動できるなんて。
ロムの中で革命的なものだった。
「このグローブを着けていると、魔法を使う際に発する無駄なエネルギーを
変換し魔法分解型体外放出魔法、いい感じに言い直せば対魔法バリアってやつを
体の表面生成します。こいつがあれば多少の魔法なら防げます。
攻撃こそ最大の防御!!そんでもって効率的。
しかし、そんな完璧なこの道具にもちょっとした欠点が、、、」
あんなにロムに向かって身振り手振り、それこそ炎の如く熱く語っていたはずの
タナカが急に勢いしょげかえってしまった。
情緒不安定過ぎるタナカを不気味に思いつつ、
その疑問を解くべくロムは聞いた。
「その欠点って、、、」
タナカはロムの問いに対し、大きなためらいを感じつつ
その銀色を動かした。
「実は。。。」
「実は、、、?」
「私みたいになってしまいます。」
その瞬間タナカのタキシードが全身弾け飛び、全身が露わとなった。
それは、
手だけだと思っていたキカイ仕掛けのものが全身にも張り巡らされていた。
ロムのような白い肌は無く、どれも手以上に暗く光るキカイであった。
「これは、どういうことだ。」
不意にロムの頭の中を激しいフラッシュバックが襲った。
燃える身に覚えのない町中、
建物に下敷きにされながらも目の前でロムの名を呼ぶ女の人、
ロムの手を引く青年。
こんなことは初めてであり、ロムは恐怖した。
苦しむロムを後目にタナカは説明を続けた。
「道具はあくまでも補助器具みたいなもんなんです。
あまり使いすぎるとその道具がイカれてその体を滅ぼすでしょう。
まあ、一応ストッパーは付けときましたが無理はしないでください。
死にますよ。」
最後の言葉を口にしたタナカにはどこか寂しさを感じさせるものがあった。
「見る限り、基本はできるようになりましたね。
そんじゃあ、次は応用編といきますか。
こっちのほうが重要ですね。はい。」
確かにタナカの言う通り、基本はできるようになってきたロム。
雷属性だけでなくほかの属性の基本もマスターした。
「キューブを使いますよ。用意してください。」
忘れかけていたキューブを再び手にし、新たな修行が始まる。
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