ある大金持ちの男がいた。

男は、お金はいっぱいあるが、病気もいっぱいあった。

偏頭痛、せき、めまい、嘔吐、気だるさ、神経痛、腹痛、腰痛、肩こり、眼精疲労、口内炎。

さらにもうひとつ。１０年前からの記憶が全くないのだった。

病院へ行って最先端の治療を行っても、どれも治ることはなかった。

そんな矢先、ついにガンの進行を発見する。

せっかくお金が有り余るほどあっても、健康でなければ人生に何の意味もない。

男は、自分の人生を嘆き、絶望した。

お金なんか無くてもいい。普通の健康な体さえあれば、人生は素晴らしいはずだ。

ある夜、空から光り輝く物体が現われ、男は捕獲された。

そこは宇宙船であり、そこに乗っていた宇宙人は、男も仲間だと告げる。

男は、すべての記憶を思い出した。そして自分の使命も思い出した。

男は、地球人としてこの星に降り、地球の環境を調査する任務だった。

ところが、ある事故で記憶を失い、地球人として暮らしていたのだ。

その後、男は自分の星へ帰り、治療を受け、健全な体へと戻る事が出来て喜んだ。

もう、あんな星には行きたくない。環境汚染にまみれた、ひどい星には。　　　　

おわり

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