かれこれあれこれ

かれこれ長い歳月を生きてきた

若者からすれば気の遠くなるほどの未来

老人からすれば記憶が曖昧になるほどの過去

なにを覚えてなにを忘れて

なにをふみつけてなにをだいじにして

ここまで存在してきた理由など

わたしのなかには何もない

ただ生きているから生きているだけ

神がまだ死ぬ機会を与えないから生きているだけ

どうやってどこでいつ死ぬのだろう

そんなことを何度も考えても

一瞬で考えるのをやめる

なんどもなんどもくりかえし

なにを愛しなにを憎み

なにに絶望してなにに希望をいだいているのか

当事者はあんがいなにひとつはっきりしない

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