夢を数え方

夢の数え方を知っているかい

一夜、二夜、三夜……と続くのだよ

それは夜の数え方だろう

夢はひとつ、ふたつ、みっつ……で、いいじゃないか

おいおい、君たち、ろくな夢も抱いていないのに

数え方だけ知っているとは滑稽だな

何をいっているんだ、うさぎを食べなくても、一羽、二羽、三羽……

数え方は知ってるだろう

ははぁ、そりゃたしかにそうだね、ならば

僕らのことは、どう数えるんだい

ひとり、ひとり、ひとり……だろう

どこまで数えても、ひとり、かい

そうだろう、僕らは

どれだけ近くにいても、熱をかわしあっても、

たがいの心になどふれられない

ああ、冷たすぎて火傷をする

ぼくはそんな君たちでも好きだよ

ぼくだって、ぜんぶ飲み込んでしまえるほど好きだよ

ぼくも君らのことを夢に見るほどだよ

その夢はどんな風に数えるの

それはね、こう、……

少し汗ばんだてのひらを肌にふれて

しずかに上から下になでおろすんだ




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