第14話 春の予感
今日はいいお天気。春の足音が近づいてきているのがわかる。
庭のかまくらはまだ残ってはいるけれど、そろそろ危なくて入れない。
すぐ隣に置いてある雪だるまも、なんだか元気が無くて情けない顔になっている。
その雪だるまで遊んでいるすばしこい小さな影が一つ。
かまくらの影にも真っ白いもう少し大きな影が一つ。
すっかり仲良しになったようですね。
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そういえばいつだったか、かまくらの周りに足跡がたくさんあったなぁ。
ストーブの前でいつものようにコーヒーを飲みながら本を読んでいたら、何やら庭からミミズクさんの鳴き声が聞こえて来たんだ。
窓ガラスが曇っていてよく見えなかったけれど、かまくらの周りに動き回る小さな影がたくさん。
翌朝かまくらを見に行ったら、たくさんのいろいろな足跡が残っていて笑ってしまった。どうやらここで小さな動物たちがパーティーをしていたらしい。
その足跡もその後に降った雪に掻き消され、お正月に遊びに来た子供たちの足跡に上書きされて、今ではお陽さまに融かされてしまった。
お陽さま。
クリスマスイヴの日に決めた、秘密基地の合言葉。
基地はもう融けてしまいそうですよ。くすくす。
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もう少ししたら、このかまくらも取り壊そう。
小さな生き物さんたちが生き埋めにならないうちに。
今のうちにたくさん遊んでおいで。うさぎさんもこりす君も。
来年も覚えているかなぁ、合言葉。
彼女も覚えているかなぁ、合言葉。
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