☆深窓の令嬢 白い貴婦人
☆深窓の令嬢 白い貴婦人☆
「あなたはいつもここを走ってるのね。よくみかけるわ。」
ソーラー 「えっ。」
その女性のほうを振り返る。
真っ白い日傘をさしながらこちらをみつめている女性。
真っ白いレースつきの
つば広帽子をかぶり
真っ白いドレスは女性の首元をおおい
ゆるやかに
ふんわりとした曲線を描きながら足首までをおおっている。
そして
その真っ白いドレスにはきめ細やかに刺繍がほどこされている。
ソーラー (どこかの良家のお嬢さんかな?
いや、もしかしたら貴族のご令嬢かな?)
「あなたはいつも元気そうね。体を鍛えるために運動されているの?」
真っ白いドレスの貴婦人の顔をみつめてみる。
ソーラー (はっ なんて美しい人なんだ。)
レースの中から青いくりくりとした瞳が
興味しんしんとこちらをみつめ
金色の髪はやわらかく肩のあたりにかかっている。
太陽のひかりがふたりの間をまぶしくきらめく。
夏のひかりに風景が白みをおび静寂が一瞬おとずれる。
時間が一瞬とまる。
が、
それはほんの一瞬
再びソーラーの意識が動き出す。
ソーラー 「あ、いえ、銀行にお金をおろしに行こうと
おもいまして。」
「へえ、わたし、この道はよくとおるけど好きなの?」
真っ白い日傘をくるくるっともてあそびながら貴婦人が答える。
ソーラー 「ええっ。この道は大好きです。
ここからみえるテーヌ川は、いいな、と思います。
「ここはいいところね。」
肩に流れる金髪をくるくると指で巻きながら答える。
ソーラー「そうですね。」
「わたしはこの近くに住んでいて
よく散歩にきていたの。
それで、あなたをよくみかけていたの。」
背筋をまっすぐ伸ばした気品のある姿は
真っ白いドレスを着ているのもあいまって
白い光のなかにかすんでみえる。
ソーラー 「ああ、そうなんですか。
僕も取引銀行によくいくからそれで私を
みかけられたのかも。」
「私もたびたび来るから、またお会いするかもね。」
ソーラー 「そうですね。」
かるく会釈する。
ソーラー 「では、ちょっと銀行にいってきます。」
「また、あうかもね。」
ソーラー「また、あいますよ。」
走り出すソーラー。
白い日傘をさしながら優雅にそれを
笑顔でみつめる白い貴婦人。
ソーラー「ではでは(^^)/」
そんな彼女に笑顔をのこして
ソーラーは走り去っていった。
このようにして永遠の中の一瞬は過ぎていくのでした。(^^)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます