第4話「先はどこだ!?」

息子が5歳の時の話だ。

朝食に、焼きうどんを出した時。息子はフォークを差したまま、うどんを見て固まっていた。


「大丈夫か?」


体調が悪いのかと思い、声をかけると……


「うどんの先って、どこだと思う?」


と、息子は言った。

まったく君はパパと同じ事を思うのだな。僕は低学年の時の頃を思い出した。ザルに盛られた蕎麦を箸でつまんだ時だった……


『この先はどこにあるんだろ?』


と、思った。そして、ゆっくりと蕎麦をたぐると時々、蕎麦がへこんだ!


『ああ、ここが先だな!』


へこんだ場所をかき分けると、蕎麦の先端を見つける事が出来たのだった。なので僕は息子に言った。


「ゆっくり、うどんをたぐってごらん」


早速、息子がうどんをフォークで手繰り寄せた。


ポコン


と、うどんの山がへこんだ


「多分、パパはこの辺だと思うよ。見てみよう!」


と、僕は自分の箸で、うどんの山をかき分けると、先端が見つかった。僕は箸でその先端を持ち、引っ張ると……




「あっ!パパとつながった」


と、息子は大喜びしたのだった。


おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る