果てないハテナ恋愛論理

@eliy3

第1話どうして群れたがる

時刻は23:16。


終電迄にはこの場を10分以内に切り抜けねば…。



「「「王様ダーレだっ!」」」


「はーい!オレオレー!」



宮里桐也、25歳。

友人に誘われて

半強制参加の合コン真っ最中。

俺明日もシフト朝方から入ってるから帰らなきゃヤバイんだが、この酔った勢いの7名達は俺1人が抜けることによってシラケる可能性が大いにある。


店の割り箸を割って、ガッツリ化粧していると思われる俺の前の子が黒い何かと恐らく唇に使うであろうもので王様の赤い印と人数分の番号を書いているのを見て顔に使うモノでその行動は…と思ったが心の奥に閉じ込めた。


「えっとなあー3番が5番に抱きつく!」


俺は手元の番号に目をやる


【5】。



抱きつかれたら帰ろう。



『私、3番なんですが…。』


一番俺から見て端っこに座っている子が

ゆっくり手を上げる


「「おーっ!5番誰だよー早く手上げろ」」



「俺…っす。」


俺もゆっくり手を上げる、


『 あ、あの!私この回終わったら終電間に合わないので、すみません!』


座敷の端から俺の方に来て

抱きついてきた。


『 す…すみません!お先しますっ!』

「あっ、俺も明日8時からバイトあるから帰るからちょっと待って!」



ドタバタしながら帰る前に参加した飲み代を机に置き走った。



(ラッキーじゃん…ナイス3番。)



そんなことを思いながら駅まで歩いていたら

あの(3番)が足を止めて悠長にコンビニでアイスコーヒーを買ったのかスマホを触りながらじっとしていた。


「あ。あの終電間に合わなくなりますよ?」


ふっとこっちを向くとびっくりするくらいのにこやかな笑顔でこう答えが返ってきた。



『終電間に合わないはウソですよ?いま彼氏に迎えに来て貰って泊まらせてもらおうかなって。』

「彼氏がいるのになんでまた合コンに…」

『んー。たまには羽伸ばして冒険したくなりません?彼氏のことはもちろん大好きだけど、たまには別の男性とも関わりたい的な?』


(3番言っている意味がわからない…)


『あ、そろそろ彼氏来るみたいなんでまたね5番さん。終電間に合わないよー!』



彼氏持ちが合コンに羽根を伸ばしに参加。

俺には理解が苦しむ。


25歳 独身フリーターはとぼとぼと

駅に足を進めた。





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