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それから約二時間して北海道に着いた
飛行機に乗っている間ずっと不機嫌だった皆がもっと嫌な顔になっていた
「あー……着いちまったな」
「事故でも起こってくれればなー」
クロとシロが虚空を見つめ始めてやっと話した言葉がそれだった
………こんなに管轄理事さんを嫌う理由は一体なんなんだろうと少し気になってきた
「君達が嫌がっても凛は連れて行くからね。凛一人であいつの相手させたいなら行かなくてもいいけど」
「皆が行きたくないならそれでもいい」
無理して嫌いな相手に会う位なら一人で話だけでも聞いてこようと思ってそう言ったけどクロが怒った顔になったのを見て何か間違ったかと不安になる
「ほらまた。そう言う自己犠牲を止めろって散々言ったのにまだ分かってねーの?」
「別に自己犠牲してる訳じゃない。私は管轄理事さんに会ったことが無いから挨拶とかする必要があるから、そのついでで話を聞いてくるだけ」
本当に自己犠牲なんて考えていないのにクロはまだ疑った視線を向けてくる
(?なんか胸の辺りが苦しい……)
クロに信じて貰えてないと思うと胸の辺りがチクチクする……何でだろう?
「もう。まーた喧嘩になるわよ!」
「そうそう、俺達だってどーせ行かされるんだしさっさと皆で行った方が平和だ」
薫姉と竜兄に注意されると「そだねークロも凛もすぐ喧嘩になるから」とシロにまで呆れられた
「お前さっきまで嫌がってたよな…」
「俺はクロより"大人"だから腹括ったの」
「……わかったよ」
「話終わった?じゃあ行くよー」
そうして嫌々ながらもやっと支部に向かい始めたのだった
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