episode2

「おかえりなさい」


戻った先では二人と同じ制服を着た

三人が待っていた。


一人は青年と同じ顔をしているが青年よりも柔らかい印象を持った人物

二人目は20代後半と見える爽やかな印象の男性

三人目は男性と同じくらいの年齢と見える女性


「あら、その背中のどうしたの?」


女性に問いかけられると私は少し俯きながら


「任務で掴まえたストレム…」


と答えた


「そこのお嬢さんが一人で突っ込んで

ボッロボロにしたせいで俺が担いで帰るしかなくなった。な」


にやつきながらそう言う青年を睨み付けながら女性は


「別に殺してないならセーフよ。気にしないの」


とフォローをいれたが私は俯いたまま

その様子を見て三人共が苦笑しながらも


「とりあえず、隊長に報告しに行くわよ」





「帝軍第零番隊隊員 霧月黒狼」


「同零番隊隊員 咲良凛」


「只今任務完了とし帰還しました」


敬礼の姿勢で二人がそう言った先には、

二人をとても暖かい瞳で見つめる男性が座っていた


「うん。お帰り、どうだった今日の任務」


「隊長の言う通り一人で突っ込んで行きましたよ。人の制止を聞きもせずに」


「…ハハッそっか。凛まーた一人で行動したね」


「ごめんなさい。でも一人で大丈夫な相手だったし、クロに怪我させたくなかった。」


「だから、俺はお前に守って貰わなくていいの、逆にお前が守られなきゃおかしいの。」


そう黒狼…クロに言われたけれど私にはその考え方が理解出来なかった。

あの場所では自分の身は自分で守らないとすぐに置いていかれてしまうから。


「まぁ凛は此処に来てまだ日が浅いから慣れるまでは仕方ないよ」


「あんた……っ隊長は甘すぎなんだよ。」


「そうかもしれないけど…ずっとそうやって生きてきて、いきなり慣れろなんて無理な話でしょう」


そう会話している二人を見ていたら、横にいた姉…金桐薫とその横にいる竜兄…金桐竜に微笑まれた。


「二人が話してることちゃんと理解できてないでしょ」


「凛は無表情の癖に、分かりやすいからな」


この二人はいつもこうやって私のことを気にかけてくれる。

私が二人の会話についていけてないことにすぐに気がついてこうして声をかけてくれる優しい人たち。


「私は此処の生活にまだ慣れてない?」


そう尋ねた私に二人は顔を見合わせてまた微笑んだ。


「そういうことじゃないのよねぇ」


「まぁ凛らしいっちゃあらしいけどな」


「よく……わからない」


そう呟いた私に微笑みながら二人は


「まぁ、追々分かってくるから心配しなくていいわよ」


「そうそう。どーしても知りたかったら

黒狼に聞いてみな」


「クロに?」


そう言った私に頷きながら、二人は「はーいそこの二人さっさと報告」

と脱線した会話を元に戻した。





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