firstepisode
「だから、一人で行くなって何回言えば分かるのかねぇこのお嬢さんは」
光が届かないほどの深い森の中に二人の人影があった。
片方は今現在説教されている外見年齢小学生の少女。
もう片方は少女を叱りつけている青年。
一見仲の良い兄妹の喧嘩のようにも見える光景だが、それに似つかわしくない物が二人の側に転がっていたし二人の手にあるものが
いっそうそれを不気味に感じさせていた。
少女の身長には明らかに合っていない大鎌
青年の手には日本刀の様な刀が握られていてその前には人の形をした、けれど人ではない何かが無惨な姿で放置されていた。
「一人でも片付けられるレベルのストレムだったから」
説教されていた少女がそう言うと、青年の
ほうは呆れたように溜め息を吐きながら
転がっていたものに近寄った。
「あーあ。こんなボッロボロにしてよー
俺らが言われてたのは生け捕り、情報を引き 出すために捕まえてこいって命令だろ」
「ごめん…なさい。」
「あぁもう、どーすんのこれ俺担いで帰るのヤだよ。重いし」
そう言った青年はしかたなさそうに少女の方を見たが、少女は俯いたままの姿で動かなかった。
「まあ悪気があってやったことじゃないし
ギリギリ生きてっから大丈夫だろ。」
少女の頭に手を乗せ言った青年を見上げた
少女の目にはうっすらと涙が溢れていた。
「ごめんなさい、私が担いで帰るから」
「いやいや無理だって。反省してるならそれでいいから俺のアレは冗談」
転がっていたものを担ぎながら歩き出す
青年の後を追いながら
「ありがとう」
と小さく呟いた少女に笑いながら戻っていく二人の背には対となっている星と剣の紋章が刻まれていた。
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