第4召喚 見た目は凄い強そうだ!?
――四度目の召喚。
魔法陣から溢れる光が周囲を包み込み、毎度の事ながらその光が収まるまでは何が召喚されたのか分からない。
度重なる失敗から、全員祈る気持ちで魔法陣を見つめている。
光が収まると、そこには一人のマッチョが立っていた。
筋骨隆々と言う言葉がビッタリな、見た目からして強うな大柄な男だ。
「おぉっ! 今度はいかにも強そうな男ではないか!」
喜びの声をあげる神官長。
召喚されたマッチョは、物怖じせず周囲を見回し、ある一点で視線を止めた。
「えっ? なに?」
真正面から睨みつけられ、思わず後ずさるソウジ。
なぜか背中に寒気すら感じる。
マッチョは口元に手を持って行き、こう言った。
「ウホッ! いい男っ❤」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」
予想以上に素早いマッチョの動きに反応できず、分厚い筋肉に捕食されるソウジ。
「あなたの為ならワタシなんでもしちゃうわよ」
「ちょおっ! おまっ、どこ触ってんのッ!!」
召喚した側からしてみれば願ったりな台詞だが、厳つい顔から放たれるそれは、なぜかそんなことを微塵も感じさせない。
というか、魔王云々の前に、ソウジがピンチである。
「神官長! 神官長! 俺の貞操がヤバイですから! 早くッ!!」
涙目で訴えるソウジに仕方なさそうに神官長は口を開いた。
「――還」
スッと、音もなくマッチョは魔法陣の中に吸い込まれるように消え、ソウジはその場にへたり込んだ。
そんなソウジにルリが慰めの言葉をかける。
「ソウジ。童貞卒業おめ」
「失ってねぇよ――」
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