unhappy new year
ころんだ。ころんだよ。われながら見事にすっころんじゃったよ。
まだ太陽が昇り始める前の薄暗いアスファルト。
夜半の寒さですっかり凍っていた水溜まりに、全っ然気づかなくて、つるんといった時にはもう後のお祭りで。
わ~ん膝小僧すりむいてる。
じわじわと痛さがあふれてくるのと一緒に赤い血が肌ににじむ。
あぁんもう、こんな所で座りこんでる場合じゃないのに。
お目当てのセールに早く行かなくちゃ!!
あ痛たた。うぅ泣いちゃいそう。
今にも零れそうな涙をこらえて、慌てて上を向いたら、うっすら明け始めた夜空を、流れ星がひとつスーッと尾を引きながら燃え尽きる様に消えていった。
ぅわあ綺麗…。
テンション上がったおかげで痛みまでどこかに吹き飛んで行っちゃった。
われながら単純だなぁ。
そういえば、ゆうべのニュースで今夜はほにゃらら流星群が見頃だとかなんとか言ってたような。
…お?なんか元気出てきた感じ。
ふーっと白い息を膝小僧に吹き掛けてみる。
よし大丈夫、復活だ!
すっくと立ち上がって、勢いよく駆け出そうとした途端、すてーんとまたすっころんだ。
無理無理。わたしもう無理ですから、神様(涙)。
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