番外編2 ロンリーボーイズ
2-1 いつから友達?
「なぁツヅラ。一つ聞いていいか」
「ん、何」
「僕たちっていつから友達なんだっけ?」
「……は?」
夕方の
今日はいつもたむろしている団子屋が定休日で、そういう日は商店街の横の公園で過ごすことがお決まりだった。お決まりと言っても、ちゃんとルールを作ったわけでもないし、別にここじゃなきゃいけないって理由もない。ただなんとなく。幼い頃から続いている俺たちのルーチン、というだけ。
同級生たちは少し背伸びして駅前の洒落たカフェで季節限定のラテなんて飲んで過ごしていたりするけど、俺たち二人にはいつまでも無縁の話のように思う。
「なんで改まってそんなこと聞くんだよ。どうせ誰かに聞かれたんじゃないのか」
「う、鋭いな。隣のクラスの女の子に聞かれたんだよ。ほら、あの丸眼鏡かけててスカートが膝下5cm以上はある……」
「ああ、あの人ね」
俺はげんなりした。彼女は漫画同好会に入っていて、好きなジャンルはBL——噂ではそう聞いたことがある。
「いつから友達、か……」
灰慈とは向き合う形で、俺はブランコを囲む手すりに腰掛けていた。背が伸びたせいでブランコに乗るのが少し億劫になった。足を持て余すし、自分が座るとギィィと不穏な音を立てるのが気にくわない。
身も心もこうやって少しずつ変わっていって、いつしか昔馴染んだ場所には不相応になっていくんだろう。
こないだ進路希望調査票を書かされた時にそういうセンチメンタルなことも実は浮かんだりして、だから余計に灰慈の口からこんな質問が飛び出たのは正直少し腹が立って。
だから皮肉を込めて返してやったんだ。
「ああそっか。あの日のことをちゃんと覚えてるのは俺だけなんだな」
***
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます