9




山椒はピリリと痛し指に針こらえて古着へ返し縫い
















2


恋敵背に火をつける勇気なくそっと抱きしめ体温で煮る




















3


どんどんと家に響くは胸の音いざゆかん我が娘の相手

















4


大丈夫打ち消されるやっぱだめぐらりぐらりの心内内






















惜しかったすんごくすごく夢の泡消えれば後に何も残らず























6


朝夢に消えていないか我が身体夜寝る前の怖くなるとき
























7


お別れを言うべき時も見つからず曖昧に去り人々は死ぬ






















8


世の中に存在を許されないほどやさしい人みなそうでした







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