8



1 



から色の枝をたわめた堅果たち


落ち葉にまぎれ暮れの相談




(11月)













2


世間では師走といえどここは暇


押しかけるな恩師のふりして




(12月)










3


食べて飲んでと過ごした正月


鏡餅ふたつ鏡の前に




(1月)
















4


雪の屋根命危うしと教えるその氷柱こそ刃の光




(2月)


















5


都市には始終霞かかり雲雀か姫か判らぬ声哀しさ



(3月)





















6


冴え冴えと月の光が降るロシアの雪溜り哀しや母よ





















7



甘酒が引き起こす恋結末はけんもほろろな幻惑騒ぎ
















8


氷食うてえぶるのしたの無言劇無頼の子らの足のひらひら





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