ゆめ
「透お兄さんが家に来てくれてうれしいよ!」
少女の家の玄関に入った瞬間抱きついてきた
公園でよく出会う少女とはいつの間にか友達より親しい関係になっていた
「うん、お邪魔します希ちゃん」
「今日はお父さんもお母さんもいないんだ~一緒にゲームやろ?」
と、少女・・・希が俺の手を引いて自分の部屋に招待する
「なにやる?」
希が棚からゲームソフトを出してくる
「じゃぁこれやろう」
と手に取ったのは某大乱闘ゲー
ゲーム機にセットしてゲームタイトルを進める
自然と膝に少女の重みがのしかかる
もたれかかる少女もテレビ画面をみて赤い配管工をピンクのお姫様で撃退している
「えへへ、お兄さんと一騎打ちだよ!」
希のピンクのお姫様と緑の剣士が対峙する
どちらもダメージが100を超えていて先に必殺技をぶつけてヒットしたほうに勝利が確定する
「・・・・フフン」
スリスリ
希が体を揺する
「おい、卑怯だぞ・・・それやられたら集中できないだろ」
「え?なんのことかわかんなぁい」
うおぉ・・・・男としてもてあそばれてる気がする
というかこいつどこでこんなこと覚えたんだクソ
「どうしたの?ぴょんぴょんジャンプしてるだけだよ」
「もう、やめてくれないかな体擦り付けるの」
「え?なにが」
「え?なにが?じゃなくって・・・あっ!?」
と希をおろそうとした瞬間ピンクのお姫様のフライパンが緑の剣士にヒットし画面外にふっとばされて負けていた
「あ~あ。お兄さんまけちゃったねー」
「マジ卑怯だぞ」
と抱きしめる
ぶっちゃけ現代でこんなことやってて見つかったら即効逮捕だ
「えー?卑怯じゃないよ、せんりゃくっていうんだよ」
「そっかぁ、じゃぁこれも戦略かな?」
俺は少女と対面する形で座らせる
「?」
首をかしげる希に顔を近づけるとそっと目を閉じた
よしっ!
「それ!」
むにーっとほっぺを伸ばすと目じりに涙を浮かべた
「ふへー・・・いひゃいほー・・・ひゅーひゅふはほほほっはほひー」
もうなにいってるかわかんねーな、ニュアンスではわかるけどな
「これもやり返すって意味での戦略だぞ?」
と、ほっぺを離すと希はほっぺを擦りながら目じりに涙を浮かべる
「むぅ~」
睨むがただかわいらしいだけで怖くもなんともない
だけど、こうかわいらしいので頭をなでる
「そんなんじゃ機嫌直んないもん!!」
と飛びついて抱きついてくる
じゃれ合うのも毎回のことだ
両親がお仕事でいない日は大抵こうしてる
俺は部活と親に偽ってここにいることが多くなった
あとは友達のいえにいると偽っている
偽る理由は思い出したくもない
「ねえ、お兄さんは私のこと好き?」
「うん、大好きだよ。なんで?」
「友達がね?大人の人が小さい子が好きなのは変質者だとか言ってたから」
「俺中学生だし大人には程遠いから大丈夫だよ」
「そうだよね!よかった~」
ぎゅっと抱きついてくる
抱きついて擦り寄るのは癖なのか、何かあると引っ付いてくる
かわいいからいいんだけど、あぶなっかしいというか
まぁいいか
「・・・・・ん!」
「ん?」
あぁそういうことか
二人でベッドに寝転がりながら口付けて抱きしめあって見詰め合う
それから少し時間が空いて
夕方も過ぎて
帰りの時間
「ずっと一緒にいたいね」
「そうだね。今度泊まりにくるから安心してよ」
「ほんと!?」
がばっと飛び起きる
「ちょ・・・」
「あ・・・////ごめんね・・・/////よいしょ」
「まったく。まぁまた今度だけどね」
「うん////楽しみにしてるね?じゃぁまたね」
「親が帰ってくる前にちゃんと服着ときなさい」
「あ、わかってるよぅもぉ」
そして懐かしい夢から覚めた
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