小さいころ、いろいろあって学校に行かない時間があった

その間の時間で少女にあった

公園のベンチで一人本を読む少女

俺は買い物帰りでその公園を通ると近道だったからそこを通っていて出会った

その少女はいつも公園で本を読んでいた

小学生くらいだからどう考えてもおかしいなとおもった

そのころの俺も中学生だったからどう考えてもおかしいのだけど


「君、いつも本読んでいるね」


ジュースを手渡して声をかけた

よくよく考えてみたらよく声かけたもんだよな、事案だって警察に突き出されてもおかしくないよなw


「あ、ありがと・・・お兄さんこそ最近ここ通ってるね。その制服向こうの中学校の制服だから学校に通ってるんだよね?」

「あー・・うん」

「お兄さんも学校行ってないなら・・・同じだよね」


少女はジュースに口をつけて、俯く


「どうして学校に行かないの?」


自分の事を棚に上げて聞いてみる


「・・・つまんないもん」

「友達は?」

「居るけど・・・でも本当に友達かなって・・・」

「わからないでもないなぁ・・・話が合わなくなったりすると向こうが一方的に、とかあるからね」

「だからつまんないもん」

「でも、もしかしたら友達も同じこと考えてるかもしれないよ」

「考えてないもん」

「えっとね、そうやって決め付けてたら俺にだってそんなこと話せないんじゃないかな」


押し問答、というかなんというか。

マイナス思考が多くなってるなぁ

そんなこと感じながら少女の会話を聞いてアドバイスする

我ながら自分のこと考えながら棚に上げて何言ってるのかな

とか

ただ、第3者の立場から考えてると自分もこんな感じだったのかなとか思った


「お兄さんはなんで学校行かないの?」

「・・・いじめだよ、かっこ悪いよな」

「なんでいじめられてるの?優しいのに」


いやいや、やさしいって・・

話を聞いただけじゃないか

やっぱり小学生は純粋だなぁ


「そんなのおかしいよ・・・こうやって私のお話最後まで聞いてくれて、どうすればいいか教えてくれるもん」

「そうだね、きっと寂しいんだよ。いじめっ子は」

「寂しい?」

「そ、寂しいんだよ。親から人との関係を教えてもらえなくて、どうしていいかわからないんだよ」

「?」

「だから、自分の思い通りにならない奴を自分の思い通りになる奴と結託していじめるんだよ」


でも俺はそれに心で負けて学校へ行く振りをしてこうやってうろうろして時間をつぶしている


「でもいじめられたら先生に言いなさいって」

「言ってもダメなんだよ・・・相手のお母さんが先生をいじめちゃうんだ」

「そうなんだ・・・でもお兄さん優しいから・・・いじめっ子にやり返さないんだね」


少女はお兄さんは強い人だと思うよ!

と元気に笑った

強い、か


「お兄さん」

「ん?」

「私、学校行くよ。だからお兄さんも学校いこ?」

「そうだな・・・うん、がんばるよ」

「じゃぁ、お兄さんともお友達!」

「うん、ありがとう」


我ながら情けないな・・・こんな子に慰められるなんて


公園で少女と別れてうろうろして下校時間まで暇をつぶして家に帰った


でも次の日は学校へ行く振り、ではなく学校へちゃんといった

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