第7話 旅行、旅館、客間にて・・・
「なんでこうなるのじゃ・・・?」
「納得行きませんねぇ・・・」
風呂から出ての旅館の部屋
二人の少女のなんともいえない現実への怒りの視線を感じてる
それでもしれっとしている涼しい顔の少女が俺の腕に抱きついている
「お前はなんなのじゃ!!我たちが風呂から出るまでになにがあったのじゃ!!そなた!!説明を要求する!!」
「そうですよぉ!なんで私たちは納得いきませんよぉ!!」
「いや、納得はしてほしいんだけど・・・俺だって突然の出来事だし」
「そうよ?突然で悪いけどちゃんと説明したんだから聞きわけが良くないと困るわ。ねぇ貴方♪」
と、二人の言葉に絆が俺の抱きついて顔を近づけてくる
「お前ーーーっ!!」
「いやぁぁぁぁっ!!」
絆の行為により二人の絶叫が上がる
大声出したところで絆の力(?)でほぼ防音、客や旅館の人からの注意は来ない
来ないがさすがにこれ以上は俺も困る、仲がこじれるのは良くない
「絆、やめよう。さすがにこれ以上はこの二人が暴走するかもしれん」
「もう、なら二人を交えてもいいわよ?」
「冗談じゃない。真剣な話だよ。どっかのマンガみたいに鈍感な主人公じゃないんだ。二人の好意だってわかるし、お前の感情だって少なくともわかってるつもりだ。でもな?この4人で住む以上はそういうのだってちょっとづつ考えてかなきゃいけないんだ」
3人は俺の言葉に耳を傾け少し押し黙った
真剣な話のときの二人は少なくとも聞き分けはいい
絆だって神様の使いという立場上、話はきっちり聞けるはずだ
「はぁ、わかったわよ。保留にしとくわ。もし、このつながりについてわかったらこの人の隣は永遠に私のものよ。神様なみの繋がりだもの」
「いいだろう。しかしのぉ・・・お前よりも透のことはわかってるつもりじゃ、家庭的で気の回る女性が好みなのもな」
「そうですねぇ、ですけど好みのプロポーションも大事ですよねぇ。ただ単にわがままボディが好きな下劣な男とは違うんですよぉ?透さんは」
3人の視線が交わり火花が飛ぶのが見える・・・様な気がする
もし小麦粉が舞ってたら部屋が爆発しちゃうのではないか、というレベルだ
「あぁ、その、だな。もうすぐ飯だからさ。この争いも一旦、時が来るまで休戦しよう?な?」
見るに耐えない女の争いを止めるのは男の俺しか居ない、しかも一人だ、板ばさみは勘弁したいが彼女たちの問題だ。
当たり障りのない形で止めに入る
「はぁ、仕方ないですねぇ。透さんが納得行く形で隣に居られる結果じゃないと私も悲しいですからここは休戦にしますよぉ」
「珍しいのぉ、お主が先に引き下がるとは」
「当たり前じゃないですかぁ、ここで力ずくになっても私が求める結果にはならないですからねぇ」
結が引き下がり、荷物から財布を持ち、部屋を出る
「ちょっとお花を摘みにいってきますよぉ」
「お、おう」
「結ちゃんの言うとおりね、なんていうかあの子しっかりしてるわ・・・・。なんか負けた気がするのは癪だけど」
「じゃな・・・」
残された繕と絆は荷物を確認したり、景色を写真撮ったりと始めた
俺は少し気になり結のを探しに外にでた
結は結構簡単に見つけることが出来た。
フロント近くのお土産コーナーだった
「あら?透さんどうしたんですか?」
「いや、ちょっとお前のことが気になったから」
「そうですか?まぁ、気に掛けてくれるのはうれしいですよぉ」
と、お土産を選びなおす結
「誰に買うんだ?」
と聞くと結はクスクスと笑い出した
「家で食べるのとあとじっかに持っていく分ですよ?透さん、実家にぜんぜん帰ってないじゃないですか。お土産だけでも持っていって、顔を見せるといいですよ」
と、温泉饅頭と和菓子の詰め合わせの箱を俺に渡してきた
連絡は取っていてもきっと寂しい思いをしていると思います
結はそういって財布を取り出した
「それは生活費だろ?」
「切り盛りしてるのは私と繕さんですよぉ?余裕ぐらいみてやりくりしてます」
結はそういってお金を支払って二人で部屋に戻ると案の定なにをしていたのかとといたざされることになった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます