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私は寂れた場所に住む神、稲荷の一族の一人
そして・・・忘れ去られてしまったのかもしれない存在
賽銭も無く・・・・
参拝者も無い・・・・
とても寂しい存在・・・・
けど、ある日青年が現れた・・・
目に寂しさと悲しみを抱えていたと思う・・・・
でもその奥に、炎のように揺らめく意志を感じた・・・・
その人は、三日に一回は来るようになった・・・・
徐々にあの強い意志が強くなっているのを感じた・・・
その目には寂しさと悲しみは薄れていたように感じた・・・
彼の願いと祈りは本気なのだと・・・・・
私はその願いと祈りを叶えたい・・・・
いつの間にか私の意志も強くなっていた・・・
今の私にならきっと出来る・・・・絶対に・・・
彼には私は見えてない・・・
それを承知で背中かから彼を抱きしめた・・・
「いつも参拝とお賽銭・・・何より信じてくれてありがとう・・・」
祈りをこめていたら気づくとそうつぶやいていた・・・・
長い間忘れていた気持ちだった・・・・
それから少しの間彼は姿を現さなかった・・・・
願いがかなったらこなくなることなんて長い間によくあることだった・・・
だから別に気にしない・・・・
そう、諦めていたときに彼は現れた・・・
顔色もよくなって、瞳も強い意志をそのままに綺麗に輝いていた・・・
「ありがとう・・・お稲荷様のおかげで就職も出来て、自立も出来た。本当にありがとう」
私は気づいたら涙を流していた・・・・
ここまで感謝されたことは長い間生きてきて初めてだった・・・・
よかった・・・・ほんとうによかった・・・・
「君のおかげで、私がどういう存在だったか思い出したわ・・・ありがとう」
聞こえてないのは分かってた・・・けど言わなければと思った・・・
大切なのは意志を貫くこと・・・人間はいつか忘れてしまう・・・
けど、忘れられても信じてくれる人は必ずいる・・・・
それを大切にする意志を貫くこと・・・・
忘れてしまっていたことを思い出せた・・・・
本当にありがとう・・・・
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