第4話 せっかくの夏休みだから・・・

夏休みが始まって次の日

俺が目を覚ましたらやわらかい感触が体に伝わってきた


「す~・・・す~・・・んん・・・」

「あ~・・・朝から視覚的刺激だな」


胸元がはだけて成長期な胸がこぼれ出している結が足を絡めて抱きついて寝ていた

可愛い寝息が首筋を刺激してきて朝からもんもんしてしまう

よく見ると尻尾と犬の耳が飛び出てきてる、気が抜けていると出てくるのかこれ


「おい、起きろ結」

「んふふ~・・・だめですよぉ・・・そんなとこぉ・・・」


どんな夢を見てるんだ・・・・いや、想像はつくが。

抱きしめる力がちょっと強くなった


「おいっ!おきろっ!」

「ひゃんっ!?」


犬耳を上げて起こす

すると結が飛び起きたが・・・おい・・・マジか


「おまえ・・・したは・・・・」

「え?した・・?下着だけですよぉ?」

「ちゃんと履け!!じゃないと俺と寝ることは許可せん!!」

「えー・・・いいじゃないですかぁ?良い思いできるじゃないですかぁ・・・」


唇を尖らせて視線を逸らす、かわいらしいが男として間違いが起きたら言い逃れが出来ない


「それが問題なんだよ・・・お前、可愛いから。男として間違い起こしたらヤバイだろさすがに」

「か、可愛いですか?で、でも透さんとなら間違いが起きても・・・いいですよぉ?それにここ、準備できてるじゃないですかぁ」


と、首に手を回して膝に乗って擦り付けてくる


「のぉ、お主。透を起こすんじゃなかったのかのぉ?透のアレを起こせとはいっとらんぞ」


ドアのそとで繕が腕を組んで立っていた。背中からどす黒いオーラが漏れ出している


「あらぁ~。繕さん、透さんは私のこと可愛くって欲情しちゃったんですよぉ?だからすっきりさせてあげなくちゃぁ」


抱きしめる力を強くして唇が触れ合いそうな距離に顔を近づけてくる

心なしか太ももも擦り付けて顔が赤く染まっている


「・・・・結、お主立場をわかっとらん上に変化の上下関係もわかっとらんようじゃのぉ。透も透じゃ・・・流されてそのまま男女の関係をもっても長続きせんよ」


繕は俺たちをにらむ、その赤い瞳は完全に怒りを灯していた

どす黒いオーラはどんどん広がっていく


「い、いやまて。わかってるから、というか俺はきっちりことわってたんだが」

「結果がすべてじゃ。体を重ねてもうやることをやる寸前じゃないかのぉ?その格好は」


音もなく繕が近づいてくる


「ま、待ってください、離れますから。ね?繕さん落ち着いてくださ・・・・」


結の意識が刈り取られた瞬間だった

何もしていないのに結は気絶させられていた


「そなたがこやつのことを拒んだのは知っておる。じゃがの?優しすぎるのじゃ。まったく」


結の襟首を掴んで引きずる。体格さは結より小柄なのによくそんな力が出るなと思えるくらいだ


「あぁ・・すまん。」

「いいんじゃ、その優しさもお前のよさでもあるからの。でも・・・」

「?」

「いや、なんでもない。それより、もう朝食できとるから着替えたらくるんじゃぞ?」


と、部屋を出て行く繕の背中を見つめる

なんというか、好かれるのはうれしいんだが板ばさみは困るなぁ

着替えを済まし部屋から出てリビングに行くとすでにトーストや目玉焼きやサラダなどが用意してあった


「夏休みに入ったなら一緒にずっといられるんですよねぇ?」

「ずっとではなく一週間じゃの」

「そんなぁ・・・・」

「でも一週間、そうだな。3人で出かけるか。」


二人は目を輝かせていた

なんだかんだで近場のスーパーなどしか連れて行ってなかったからな

この際、少し遠くの観光名所に行くか


相談しながら朝食をとる夏休み初日はとても賑やかだった




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