第17片 なんでもいい、早く死にたい




死にたい


どうして私はひとりぼっちなのだろう

どうしてひとりで書いているのだろう

黙々と、淡々と

報われるわけでなく

かえりみられることもなく

夜がきても、朝がきても

ひとりぼっちの眼で

ひとりぼっちの空を見上げている


死にたい


夢のなかでもずっとそれを願っていた

何度も何度も数えきれないほど

なんでもいい、早く死にたいと

ひとりぼっちで頭がおかしくなるまえに

孤独で冷静な感性があるうちに

早く、一刻も早く

此処ここからいなくなってしまいたかった


なのに夢から醒めたら

現実のひとりぼっちの眼をあけてみたら

とたん色んな人の顔が思い浮かんで

あの人もひとりぼっちなのだろうか

みんなひとりぼっちなのだろうか

ひとりぼっちのくせに

ひとりぼっちじゃない風をよそおって

誰も彼もこころで泣いて生きているのだろうか


と思えば、万年ひとりぼっちの眼に

熱いものがあふれてきて

もう情で泣くこともできなかった


困ったな

もっともっとひとりぼっちにならなくちゃ


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