第13片 THE END




のぞむなら、

映画のワンシーンのように

スローモーション


身体はくるりと宙を舞い

空はメリーゴーランドのように回り続け

深い闇に覆われて

意識は徐々にスローダウン


腕は虚しく空を掴み、

足は反射的に躍りあがって

キリキリとネジが抜けて

ポトリと土に落ちて

そのまま、誰にも気づかれずに、

泥の中に沈んでしまいたい


身体が分解する音は、子守唄のようで

ブツブツと回線が切断されていく音をかすかに聞きながら

獲物を照準していた目は白濁として

やがて一切は停止する


その瞬間に、ぼくは歓声をあげるのだ


さようなら世界!

さようなら人類!


その瞬間こそに、

踏ん張って生きてきた甲斐があり、愛があり、哀もあり、

僕という、イキモノが果てる意味がある



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