汚れた町で信じる希望 3

 ある日のこと。


「ねぇ。未菜ちゃん。」


「………有佐ちゃん。」


「ちょっと………いいかな?」


 スタスタスタ


 屋上へと上がっていく。

 手前の階段で、有佐ちゃんは止まった。


 怒られるのかと思った。


 この前、自分がしたことは、有佐ちゃんを傷つけてしまったかとも思ったから。


「ねぇ。未菜ちゃん。」

「………なに?」





「私と、友達になってくれませんか?」

「ごめんなさい!」



「えっ?」

「えっ?」




 予想外だった。


「そんなに、嫌かな……私と、友達になるの。」

「……違う。」

「え?」

「ごめんね。私も、有佐ちゃんと友達になりたい。」



「じゃあ、さっき、なんで謝って。」

「それはね、この前、自分がしたことは、有佐ちゃんを傷つけてしまったかとも思ったから。……その事についてかな……って。」



「大丈夫!気にしてないから。」


「本当?」


「うん!」













 屋上へと向かう、私たち。


 そして、屋上。


「そう言えば、有佐ちゃんはなんで私と、友達になりたいの?」


 と、私が切り出す。


「それはね、」


 と、有佐ちゃんが語り出す。

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