悲劇と喜劇の1日 最終回

トロイとガブリエラ、チャドとテイラーがいちゃいちゃしたり、ジークがシャーペイに振り回されたり、マーサがライアンと楽しそうに踊りだす。


そんな中、ケルシーは外にいた。

浜辺に座り、ぼんやりと海を見た。


「ケルシー?」


背後から、不意に呼ばれる声がした。


慌てて立ち上がり、後ろを見ればジェイソンが居た。


「…ジェイソン、どうしたの?」


笑って尋ねれば、ジェイソンも釣られるように笑う。


「君が…外に行くのを見かけたから…その、気になって」


ジェイソンは照れ臭いのか、首筋を軽く掻いている。


「心配させちゃったかな、ごめんなさい」


ケルシーは申し訳なさそうに深々と頭を下げた。


「あ、いや…謝ることじゃ無いよ!」


謝られたことにびっくりし、慌てて言葉を繕う。


どちらも言葉を紡がず、少しの間静寂が辺りを支配した。


「ねえ、ケルシー」


静寂を破ったのはジェイソンだった。


「2人でのんびり海を眺めてようか」


ジェイソンは笑って手を差し伸べ、ケルシーは笑顔でその手を握りしめた。


そして、近くの浜辺に2人寄り添って座り、海を眺めた。


2人が戻らない2人を探しに来たメンバーにからかわれたのは言うまでもない。


そして、2人がお互いにお互いを想い始めていることは、知る由もなかった。

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