悲劇と喜劇の1日 ④

朝から病院は流石にマズイ、という話から街で時間を潰し、昼に病院へ。


病室に入れば、ジェイソンはテレビを見ているようだった。


「よ、ジェイソン!」


チャドがジェイソンに駆け寄るも、ジェイソンは全く反応しない。


チャドは不思議そうに何度かジェイソンに声をかけたが、やはり反応しなかった。


すぐにメンバーも駆け寄り、ケルシーがジェイソンの顔を見て何かに気がついた。


「…ジェイソン、意識が無い…?」


ケルシーの声に、トロイは慌ててナースコールを押し、他のメンバーが慌ててジェイソンに声をかける。


ジェイソンは虚ろに半眼を開き、肌が本来白いが、殊更に白くなっていた。


すぐにジェイソンは運ばれ、手術が行われた。


ジェイソンの意識混濁の原因は腹膜の傷だった。


手術は5時間にも及び、何とか成功した。


術後、ジェイソンは病室に運ばれ、寝かされていた。


「…ジェイソン、手術お疲れ様」


ぽつりとケルシーが呟けば、皆も口々に「お疲れ様」を呟いた。


トロイがケルシーの肩に手を回し、ケルシーを落ち着かせる。


「…皆、今日は解散して、明日また来よう」


トロイが告げれば、皆頷いて病室から出て行った。


静寂な病室に、機械音だけが響いた。


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