ミリヲタ元ヤンが異世界転生して主に旧日本軍の武器で無双する話

第10話レイカ

「ちょっと……話したいなって………思って」

「俺は別に話したくもなんともねぇけど」

……俺はこの時

酷く突き放したいい方だったと思う

「ねぇハル君」

「んだよ」

「何で最近のハル君は……無理に私やリオネ先生達を突き放そうとするの？」

「……何ででもネェよ」

内心、何で気づかれてたのかわからなかった

「無理してるのわかってる……今だって

そんなに辛そうな顔してーー」

「そんな顔なんてしてねぇッ！」

「！？」

俺の怒鳴り声にレイカは一瞬体を震わせた

「なぁ頼む、もう俺に関わるな」

少し可哀想だと思った

レイカは根から優しい娘なんだろう

だから化け物の俺に優しくできる

“見えない化け物”と言われた俺に……

だからーー

「レイカ、お前には俺は見えないんだ

言いか？お前に俺は見えていない

俺はただの幻覚だ」

俺はレイカにそう言った

俺の存在を否定して言いと

そう許可した、……後でリオネさんにも許可しに行くか

パシンッ！

そう考えてたらレイカにいきなり頬を張られた

「痛ぇ…」

「ハル君、見損なわないでくれるかな

私が…そんなことするはずないよ？

……それに、本当にハル君が幻覚なら」

「……」

「何で私は生きてるの？」

答えられない

自分を否定するのは良い

でも俺は他人を絶対否定しない

だから

そう言われた俺は何も答える事ができない

「私ね、あの日ゴブリンから助けて貰って

でもハル君の事を怖いって思ってた」

「……」

「でも…」

「…？」

「でもそれ以上に

“感謝”してるから…！」

「っ！」

(感謝…？こんな俺なんかに？)

頭に何かよぎる

『俺はお前を裏切らない』

(そう言ったのは……誰だったんだ…？)

『俺はお前を裏切らない』

(……)

『裏切らないーー！』

頭に見覚えのある少年の顔がチラつく

顔は殴られたせいかボコボコで口からは血を流してる

(あぁ……俺と仲良くしたせいでリンチされた)

少年を知ってる

『俺はお前を裏切らない！』

確かにアイツは

俺を裏切る事はなかった

追い詰められた最期……

自殺した

もう……失うのは嫌だった

そして同じように

リオネさんやレイカを失いたくなかった

「一人で溜め込まないで

家族を頼ってよ……」

……家族

そう思って良かったのか

俺は

人間でいて良かったのか

「私はちゃんとハル君が見える……

ゴブリン達から私や他の子を救ってくれてありがとう」

「……！」

ハルは涙を流していた

久しく忘れていた暖かなモノ

「……どうやら俺は、周りを気にするあまり大切なものを見をとしてたみたいだな」

(俺が本当に求めてたのはきっと……)

レイカを見ると微笑み返してくれる

(強いよな、しっかり自分の旗振って生きてる奴は……)

そしてきっと……

俺はそのレイカの生き方に憧れ

そしてレイカに心底ホレているのだろうーー