表題作の『おにいさん、こちらへ』と『解釈』どちらも読みました。両方とも最後まで真実を明かさず、そして一つのオチとして謎が解けた(と思った)時、恐ろしく思う気持ちが駆け抜けていきました。ミステリーとホラーの融合作のように感じました。実に猟奇的で、気味悪く、良い意味で嫌悪します。救いようのない物語を好む人には是非オススメしたいです。
「兄」「妹」「兄の友人」。3人によって紡がれていくのは、1つの命が無惨に終わっていく光景。ですが、そこに至るまでの過程で生まれる幾つもの不可解な事態、異常な有様などが、よりその恐怖を増しさせています……。妹は今、どこにいるのか……。最後の最後まで狂気を秘めたホラー作品です。
微妙にズレた妹の話し言葉が、日常のズレを、ひいては狂気を導き出してゆく。素晴らしい