第4話


麟太郎は杏奈の方へ歩みより、ベンチに腰かけた。

「さっきは、すまんね。ちょっと、君の能力を試させてもらったよ」

麟太郎は静かに声を発した。

「あなた………なんなの?」

再び、杏奈は問いかけた。

「君、宗教団体から追われているんだって?それはつまるとこと、タルパだろう?」

と、麟太郎は聞くと杏奈の表情が強張った。

「わかるの?」

「わかるさ。俺も、そういう社会から理解されない能力は隠してきた。発現は小4の時、見えないはずのものが見えることから始まった。今から3年前」

「麟太郎?」

呼び掛けられて、麟太郎は杏奈の方を振り替える。

「中1?私と同じ?」

「ああ、君とは同級生かな?敬語をつかわなくていいから気がらくだよ」

「そうね。実は私も、それで能力が現れ始めたのは幼稚園のころからだったわ」

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