第3話
その時、杏奈の額に紙飛行機が飛んできた。ゆっくりと、ゆっくりとだが着実に杏奈を目掛けてであった。
「何、これ」
開くと懸賞金のポスターだった。
「いやあ、さっきのは見ていて凄かったなあ。でもね、賞金に見合う力が君には必要なんだよねって事だよね」
現れたのは麟太郎であった。
彼は杏奈に拍手を送る。
その「パチパチ」という音が公園全体に反響する。
「あなた、私と同じくらいの年でしょう。見ていたの?怪我をしないうちに立ち去りなさい」
「さあ、あれだけのお金を目の前にして、去れる人が存在するかな?」
麟太郎は足を踏み入れた。
次の瞬間、
「パチーンッ!!」
甲高い音が鳴り響き、ベンチの横の缶ジュースが空中に跳ね上がった。
と、同時に麟太郎のすぐ横の地面が凹んだ。
「…………相討ちか、君は思っていたより強いようだ」
また、杏奈が大きく目を見開き、
「……あなた、なんなの?」
と、か細い声を洩らした。
「俺は、青柳麟太郎、君の見方さ」
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