新たな日々 0

「それ、スニーカーじゃないわよ」


微笑みつつ首を傾げたイブ。


俺はまさかと靴の靴の裏に目を向けた。


光を放つ無数の粒子が靴の裏全体に散らばっている。


はぁ~。どうやら三千年後のこの世界も、物理法則の四文字はどうでもいいらしい。



「まぁ、なんにせよ。この靴の使い方はあとで教えてくれ」



そういうとイブはこくこくとうなずいた。


やはり何かしら特殊な道具のようだ。



「おっ!そういえばさっき車がないって言ってなかったか?」

「うん。いったし実際車はないよ」



当然だとでも言わんばかりに彼女は胸を張った。



「ということは道路とかもコンクリートじゃないのか?」



珍しくイブは困ったような顔になる。


そして、小さく息をこぼした。



「う~ん。正確に言えばコンクリートじゃなくて魂法エネルギー増加材っていうものでできてるんだけど・・・成分的にはコンクリートと同じだし気にしなくてもいいと思うよ」



うん?魂法エネルギー?電気エネルギーみたいなものなのか?


うん、きっとそうだな。


なんかめんどくさそうだから適当にそう解釈しておこう。



「さすが、優等生はいうことが違うな」



あまり理解できていない自分をごまかすため、

とりあえずイブをほめておくことにした。


イブは誇らしげに胸をはる。



「それに、初めてにしてはかなり早いほうだったと思うわよ。そんなに気にしなくてもすぐに私よりも早くなるって」



若干勝ち誇った様子がどうもイラっとするのだが、事実今はイブのほうが早いのだ。


自分が劣っていると思うから彼女に嫉妬しているのだろう。 

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