止まっていた時間 -1

「うわぁ!」


俺はベッドから跳ね起きた。


「どうしたのブレッド?」


イブが隣の部屋から応答する。

今日はいやな夢を見た。

冷たい暗闇の中、推定5000人はいるであろう人間が燃え盛るおい色の炎をに包まれて一瞬で消えてしまうという夢。


俺はひとまず顔を洗いに洗面台へと向かった。


「おう、おはようだなァ」


背後から聞こえたフィルの声。

そして、あまりに大きな腹が俺を壁へとおしつけた。


「なんかフィル、まえよりふとったんじゃない?」

「おォ、いつの間にか厳しいこと言うようになったなパルム」


フィルは洗面台がある部屋の前にいるパルムの方に腕を通すと頭をぐりぐりと拳を作って圧迫している。俺は一つ、ため息をついた後、広いリビングへと向かった。


だたっぴろい大理石のリビングには4つの扉がそんざいしている。

2つはフィルとパルムの部屋。そして残りの2つは俺とイブの部屋だ。俺は「イブの部屋」と書かれた扉をノックした。


「どうぞ」


明るい声が聞こえてくる。

思い切って扉を開けた。

鼻の奥まで入るこむ懐かしくていい香り。

これは・・・・昔のイブの部屋の香りだ。

というかこんなこと覚えてるってただの変態じゃねぇか!。俺は思わず頭をかいた。


「どうしたのブレッド?」


心配してくれたのだろうか?しかし、たとえ違くても思わず頬を赤くなってしまう自分がいる。


「い、いや、なんでもない。ただ・・・今日の練習っていったい何時からだったっけなと思って・・・?」


なんとかテレを隠しながら最後まで言い切れたことに安心して、俺はベッドの上で玉虫色のセミロングをとかしているイブに視線を向けた。するとイブは笑顔を作る。


「今日の午後からだったようなきがするよ」


あっさりと返された回答に俺は拍子抜けしてしまう。


「そういえばそんなことあのメイドさんが言ってたな」


テレを隠すために頭をかいた。


「まだ時間があるから新しい木剣でも買いに行く?」

「そうだな。いこうか」


俺の声にイブは新しく買ったチュニックをはらい真っ白いすらりとした足を延ばして立ち上がった。

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