日が沈んだ世界 9

「おきてくださいぃ~。おきてくださぁいぃ~」

「たのむ、ワン○スが終わるまで寝かせてくれぇ」

「なに意味わからないこと言ってんだすかぁ~?もう朝ごはんできてますよぉ」


俺ははっとベッドから飛び上がった。そして顔を洗い急いで下に向かう。


「おゥ。起きたか寝坊野郎ゥ」


「朝から冗談きついぜフィル。ところで今日はどんな予定なんだ?」

「あのなぁ~、ブレッド。この間もそれ聞かれたけどそのとき、もうばっちりだって言っていたじゃない

するとにやけたフィルではなくパルムがホークを止め俺の方を向いてきた。そして、深いため息を吐く。

かぁ~。もうこれでさいごだからなぁ」


珍しくパルムは怒っているようだ。


「すいません」


俺はぺこりと頭を下げる。


「今日は依頼報酬を使ってもっと高い武器を買いに行くんだよ」


あっ、そういえばそうだった。まだこの間の報酬がたくさんの残っているからそれぞれで買い物に行こうって話になっていたんだ。


俺たちはすでに学校へ出かけてしまったセフの手料理をあっという間に絶え上げると急いで装備の準備をしてそれぞれの方向へと進んでいった。正直俺はホープセーバーがかなり強い剣らしいのでそのまま買い替えるつもりは何だが・・・。俺はとりあえずパルムについていくことにした。このカルックスの町は

直径3キロほどの大きさがあり、町の中心には高さ100メートルはあろう大きな協会が堂々と建っている。俺たちが今日向かう店はその協会の隣にある小さな店だ。フィル曰くカルックスで一番の魂法手袋商人らしいが確かフィルって魂法使わないよな・・・。それなのになんでわかるんだ?


そうこうしているうちに役1キロの道のりを歩き終えた俺たちの目の前には遠くから見ても大きく見える教会がいっその威圧感を放って影を作っていた。


「なぁ、パルム、あの教会は一体何の神様をあがめているんだ?」

「あぁ、あそこは別に神様をあがめてるわけじゃないよ。あれは、世界を唯一好き勝手できる存在をあがめているんだ」


俺はパルムの言っている意味が理解できずしばらく口を丸く開いたまま立ち尽くしてまう。


「その神様みたいな奴は一体何者なんだ?」


するとパルムは首を横に振った。


「わからない。噂ではとてつもなく強くて単体でこの世界を作ったとかなんとか・・・」

「おいおい、そんなわけ・・・」


思わず言葉を止める。待てよ、今までこの世界はありえないことがたくさんあったではないか。


「でもよぉ。そんなすごい奴はなんでハバネロを自らで倒そうとしないんだ?」

「さぁねぇ~。神様レベルの人間の考えることは正直よくわからないよ」


俺はその答えに小さくうなずいた。

気が付けばパルムの両手には真っ白い手袋が装備されている。


「なぁ、パルム・・・その手袋いくらしたんだ?」


俺はおそる襲る尋ねてみた。


「ふっぅぅん。なんと、50万エキュ」


なぜか胸を張るパルムに俺は大きなため息を

吐く。


「金はなくなるのが早いなぁ~」

「ん?なんか言った?」


俺の小声に反応したパルムの瞳にはキラキラと光が浮かべられていた。

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