紹介 私が読んできた作品
カノン興亡記・終 / キール・アーカーシャ
作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054881066977
作家URL https://kakuyomu.jp/users/keel-a
作者 キール・アーカーシャ
作品名 カノン興亡記・終
ジャンル ファンタジー
連載中 18,075文字 全一話
批評時 総PV数16 最終話PV16 ☆0
評価★4
現在非公開中の拙作『貴方もしりとりしませんか?』で紹介予定だった作品。
知名度的にも宣伝効果的にもこの作品のほうが良いだろうという判断により、この作品で紹介させてもらいます。
本人の許可はすでにとってありますので、心配ありません。
サブタイトルの頭についている星の数からわかる通り、特に批判的な内容を書くつもりはありません。
というか、普通に星の数が多かったとしても私が批判するところなどほとんどありませんでした。
評価は★4です。つまり、面白かったということです。
~*~*~
年老いた者が死ぬ。
それは自然の摂理であり、遺族などは表では悲しみこそすれ、むしろ良くぞここまで生きたと賛嘆する心も内には生じうる。
しかし、若き死は別である。それは悲しみでは無く、苦しみである。それは摂理に反しており、不条理そのものだ。いや、それは哀(かな)しみも内包しており、烈(はげ)しい痛みと言いしれぬ絶望を人に与える。
親は逆縁の苦しみに打ちひしがれ、時にその執事なる貴族は遺体の前で、我が子は未だ生きていると夢想する。
だが、彼らは死したのだ。
~*~*~
ここが冒頭の部分です。読んでもらえればわかる通り、非常に高い文章力で書かれています。本編と違い、細かく間が空けてあるのは完全に私の独断です。
本編では完全にひっついて書かれています。ただ、この方がよくはないか、という私の提案であるということだけは書いておきましょう。
この小説はとても高い文章力でつづられている重厚なファンタジーです。
近年ラノベで話題の異世界に日本人が転生や召喚されるというお遊び的なファンタジーではありません。
完全なファンタジーです。
はっきり言って私にはこのレベルの小説を書くことはできません。基礎的な文章力が私よりはるかに高い。
ただ、裏を返せば、重厚なファンタジーすぎる。ラノベっぽくないんです。ただ、だから面白くないかといえばそれは違う。★4の評価をつけるぐらい面白かったし、カクヨムでほとんど読んだことのない真面目な話で新鮮だった。
~*~*~
「さぁさ。皆様、どうかこの盲いた吟遊詩人の歌をお聴きください。お代は銅貨で結構。もし慈悲深き心がおありなら銀貨を。金貨を頂くほどには手前の歌は大した事はありませぬ。それならば卵を一つ、おくれなされ。そいつを割れば黄金の実が出でて、白い冠が二つも出来る。しかし、白身にはご注意を。南方では、こいつを結婚なさっている貞淑な貴婦人の寝床にぶちまける悪戯が流行っているとの事。そうすれば物も知らぬ夫は、ベッドにかかった白い液を見て、妻の不貞を勘違い、怒る怒る。とはいえ、賢しい子供はすぐに気付き、そいつをぺろりと舐めて、卵の白身と確信する。そして、勘違い夫の前で、ついた液を焼いて見せて、そいつが白身と証明して見せるのです。もちろん、手前は白身を悪戯(いたずら)などに用いず、黄身と一緒に焼いておいしく頂きますがね」
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一番最初の会話文を抜き出しました。
このセリフからして、ラノベっぽくない。色々なところにラノベとは違う笑いを誘う冗談が入っている。本当にこういうのが書ける人は凄い、と尊敬するものだ。
ただ、キールさん。会話文の最初はヒトマス開ける必要ないですよ。注意です。
これ以上、本文抜き取りをすると、かなりネタバレになってしまうので控えるとしよう。
それに、私の文章力ではこの作品の面白さを皆さんに伝えることはできない。抵抗感はあるだろうが、読んでみることをお勧めする。
では、少し思ったことを最後に書かせてもらう。
作品カラーを変えてみてはどうだろうか?
『弱小作家の創作論』が黒なのはわざとなのだが、キールさんの作品はすべてが黒い。わざとならばいいのだが、黒だとあまり注目されないという意見があるので、一度変えてみてもいいと思う。
それと、冒頭から書いていることだが、キールさんの作品は濃厚すぎる。もうちょっと軽い感じの小説を書いてみてはどうだろうか?
面白くないといっているのではなく、カクヨム利用者のニーズにはあまり合っていない。私のように完全なファンタジーでも受け入れられる人物はほかにもいるだろうが、大半はそうではないと思っている。
だからこそ、拙作『異世界転生者と天の声』というつたない文章で書かれている作品のほうが評価が高いという不思議なことが起こってしまうのだ。キールさんなら書き分けもできるだろうから、一度書いてみることをお勧めする。
あと、ツイッターとかやった方がいいですよ。交流できますし。
まあ、こんなものだろうか。言いたいことがあれば、おまけとして追加させてもらおう。
そして、この紹介文を最後まで読んだあなた。一度、この作品を読みに行ってはどうだろうか?
おそらく君はひきこまれることだろう。
それでは。
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