No.03 YAMAHA MU80 DTM音源
1991年に発売しDTMスタンダードに君臨したGS音源SC-55から遅れ、94年に発売された言わずと知れたYAMAHAのDTM音源でXGを採用した初号機(初のMUはMU5というGM音源)。TG300のGM-Aモードを再編成し強化した物。そしてRoland GS音源をシミュレートしたTG300のGM-BモードをTG300-Bモードとして持っている(XG音源内にない音もTG300-Bモードには搭載されている)。当時様々にあったGM搭載DTM音源に比べたら音はいい方だが薄っぺらな印象は強かった。音はいわゆるSY系である。DTM市場に大きく出回るRoland製品に対抗すべく、SC-55から3年過ぎてからの登場で、当時出ていたSC-88とよく比較されていた。しかし、後発の強みというか、MU80やMU50はエフェクト面でSC-88に勝っており、ギターやマイク入力端子を備え、入力音にエフェクトを付与できる機能もあったため、簡易ミキサーのような使い方も可能だった。後にSC-88Proが作られる際、MUシリーズを徹底分析したという事は有名で、それによってSC-88Proにインサーションエフェクトが盛り込まれたという背景がある。ちなみにMU50はMU80にないエフェクターや音色(XG音ではなくDisk Orchestra Collectionというデジタルピアノの配列)を持っていたりと完全な下位機種ではなかったりしている。MUを冠した初の機種でるMU5は後にMU15として復刻。QY20/QY22のような形をしており、MU5はGM音源だったのに対しMU15はMU50相当の内容となっている。MU10というディスプレイなど一切ない、据え置き型の真っ白い音源もある。MUシリーズの構成はMU5(GM音源)、MU10(MU50相当)、MU15(MU50相当MU5の復刻版)、MU50(XG音源基準機)、MU80(第一世代フラッグシップ機)、MU90/MU90B/MU90R(第二世代ベーシック機)、MU100/MU100B/MU100Bs/MU100R(第二世代フラッグシップ機)、MU128(第三世代ベーシック機)、MU500(第三世代廉価版)、MU1000/MU1000EX(第三世代フラッグシップ機)、MU2000/MU2000EX(第三世代ハイエンド機)となっている。
MUシリーズの特筆すべきは、DTM音源ながらプレイヤーズシンセサイザーのようなパフォーマンスモードがある事で、XG音源のプリセットから最大4つの音色を重ねることができ、分厚いサウンドが出せる。しかし、ディスプレイなしの廉価版や据え置き型音源には搭載されていない。各種プラグインボードにもパフォーマンスボイスが用意されており、パフォーマンスのプリセットを上書きする形で付属のSMFから情報を転送して使用できるようになる。
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