第56話 中華ちまきもみんなで作ろう

 中国語の家庭教師をお願いしている老師ラオシー(先生という意味です。どんなに若い先生でも老師、です)に特別授業で中華ちまきを教えてもらう機会に恵まれました。先生は女性の先生で(第18話 ワタシと友達と中国語 Part2)主婦としても大先輩です。中国の方から中国のちまきの作り方を教えてもらえるなんてチャンスは滅多にあるものではありません。

 同じ先生に習っている友達ふたりにも声をかけて我が家で教えてもらうことになりました。


 老師直伝中華ちまきのレシピをご紹介しますね。


☆中華ちまき(10個分)

【材料】

もち米      3カップ

牛肉       100g

焼き豚      100g

干しいたけ    3枚

干エビ      大2

長ネギ      10cm


合わせ調味料★

酒        大3

醤油       1/4カップ

塩        小1/4

砂糖       小1/3

チキンスープの素 小1/2

こしょう     少々


サラダ油     大1

ごま油      大1


☆作り方

①もち米は洗って1時間水につけ、ザルにあげて30分おく

②干しいたけは水でもどして1cmくらいの薄切り

③干エビも水で戻しておく

④牛肉、焼き豚は1cmくらいの薄切り、長ネギはみじん切りにする


⑤中華鍋でサラダ油、ゴマ油を熱して長ネギ、牛肉の順に炒め、残りの材料も炒める

⑥合わせ調味料★を入れ、干しいたけ、干エビの戻し汁と水(合わせて1と3/4カップ)を入れてもち米も加えて水分がなくなるまで炒める

⑦サランラップを用意して10等分した材料を三角錐になるように成形してつつむ

⑧電子レンジで600w10分加熱


☆できあがり♬

このまま冷凍すれば日持ちもします。

生姜や干貝柱、松の実などを加えたり、牛肉はなしで焼き豚のみにするなど具材はバリエーションがききます。



 料理を教わりながらも日本語と中国語まぜこぜの世間話にも花が咲きます。

 中国では共働きの場合女性は50歳、男性は60歳でお仕事をリタイアすることが多いんだそう。

「どうして女性は50歳なんですか?」

「孫の面倒を見るんですよ」

 なるほどね。そうすると娘さん若いママはお仕事にでかけられるというわけ。確かに地元の保育園や幼稚園の送り迎えをしているのは圧倒的におじいちゃんおばあちゃんが多かった。

 先生のお嬢さんはCAのお仕事をされていらっしゃるとか。


「みなさんはご両親と離れて中国で生活していて素晴らしいわね」

 そう、ワタシたち駐在家族には頼れる実家や親が近くにいない。

 だからこそみんなで協力して支え合って生活するのである。

老師ラオシー私うまく三角にできないんですけれど」

「そんなことないわよ。很好ヘンハオ!(とても上手!)」

「味があっていいんじゃない?」

 中国で暮らしたから出会えた友達に素敵な老師。

 こうして4人で一緒にごはんを作れば、手間は1/4に楽しさは4倍に。

「そろそろ蒸しあがったんじゃない?」


 蒸しあがりのあっつあつのちまき

 ラップをはずせば湯気の向こうに老師と友達の笑顔

 あっつっっ! でも美味しーー! わ、これ子供も好きだわ。


 老師今ごろどうしていらっしゃるのかしら。日本に帰ってきてからは友達と中華ちまきを作ることもなくなった。スーパーや中華料理店で中華ちまきを見るたびあの日の「お料理教室」を思い出す。

 

 請永遠好チンヨンユェンハオ

 老師、いつまでもお元気でいてくださいね。





 中華ちまきもみんなで作ろう




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