俺はただ1ヶ月強程前のお前、つまり俺自身と対話をしよう。

「人間は、と言うか人は、たった一人で生きていけるものなのでしょうか?」


「それが君の問いだとしたら、僕は次の様にしか答えられないね。”それは不可能だよ。”えーっと、貴方の名前は…」


「先生、私は貴方に、私の名前を告げてはいません」


「そうだっけ?…だとしたら、それは私の過失なのか、貴方の過失なのか…。しかしまあ取り敢えず、異常なことだっていうのはわかるよね?君は”一応正常”なんだよ。私が診る限りはね。わかるでしょ?」


「ええ…なんとなく…。えーっと、それはつまり…うーん…」


「まあそのことは一旦置いておこうか。貴方が言いたいことはつまり…」



…………。



この様な、俺が今使っている様な、小説投稿サイト、いや、全てのインターネット?SNS?よくわからねえけどさ、一ヶ月強程前の俺よ。…呼びづらいから、えーっと…。あのさぁ、過去の自分は他人なんだよ。いや、死人と言ってもいいよな。一ヶ月強程前にここに訳のわからない文章を書き込んだお前は、もう、俺自身の存在に内包されるものでは無いんだ。


過去の、他人、いや、死人となった自分に掛ける言葉も、いや、何か言葉を掛けようとすることすらも、無意味だし、イカれているということは、…えーっと…、そうだな、お前は…面倒臭いからタカシで良いか。タカシよ、お前にも十二分に分かっていることだろう。タカシ、お前は一ヶ月強程前の俺自身で、尚且つもうこの地球上には頭髪1本すらも存在しない、言わば死人だからな…。


俺はお前に、タカシよ、これは俺の父親の名前であるが…わかるよな?伝えたいこととか。


いや…そんなものは無いか。




上記の文章は、精神が正常とは言い難い人間が綴る文章とはどんなものなのか、それを少しだけ露わにするものでしか無い。


俺のことを、タカシのことを知る人間は一人もいないし、これからも一人も現れないだろうね。


ははは。


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