Love's light blue

初めはただの憐憫のはずだった。それだけのはずだった。その辛い過去と、与えられてこなかったものへの同情と哀れみだけのはずだった。臆病で寂しがりな心が負った傷跡を、少しでも消したいと思っていただけのはずだった。


まぶたを閉じると、君の姿が浮かぶ。あまりにも美しいその姿が浮かぶ。その度に、僕の胸はひどく痛く疼く。ひどく苦しくなる。君の姿が見たいし、君の声が聞きたい。君と会話がしたい。君と笑い合いたい。この世界のいくつもの空間に君と共に存在し、君と想い出を共有したい。


全て僕の傲慢だろうか。


君とは他人に戻りたくなかった。君のことを考えるといつも、涙が出てくる。それは悲しいからか、愛おしいからかわからない。君がもう二度と僕の視界に入らない、いつかの未来のことを思うと、やりきれないくらい辛い気持ちになってしまう。この感情は…


君の幸せを願っている。軽薄な願いかも知れない。でも僕はもう、君が傷つくところを二度と見たくない。もしもたった一つだけ、僕の我儘が許されるのだとしたら、それを願おう。君に不幸はそぐわない。君には幸せがよく似合う。


君の未来のどこかに、僕は存在しているのだろうか。例えそうでは無いとしても、未来の君が、今の君がするような、とても素敵な、輝かしい笑顔をするのなら僕は、その辛さを受け入れようと思っている。


ああ、ここでこんなことを書いたところで、君には伝わらない。しかし、言葉や文字にして君に差し出しても、全てが伝わるなんて思っていない。これは願いでしかない。そして、痛みに疼くこの胸を誤魔化すための…


ああ。人を愛することは何故いつもこんなに辛く、苦しいのだろう。どんどん耐えられなくなっていく。重くなるばかりの想いが君を押しつぶさないよう、僕はそれのほとんどを自分の中に閉じ込めている。


きっと君を好きになったら、僕は今度こそ死んでしまうと、最初からわかっていた。わかっていたのに。そうだって、わかっていたのに…

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