冬の哲学者
薄暗い室内に横たわって
四角く切り取られた窓を
じっと見上げて考える
冬の曇り空は白っぽくて
夏の曇り空より明るく見える
冷え冷えとした風の音は
夏よりもよそよそしいのに
ひゅうひゅうと騒がしい
冬の早朝の匂いは澄み切っていて
夏と違って青臭くない
冬の雨は冷たいけれど
夏の雨よりずっと優しい
冬が好きだ
寒さは身体の芯まで染み込むけれど
それ以上に澄みきった
ある種神聖な気分になる
冬の空気を吸い込めば
自分が透き通ったものになる気がする
寂しいけれど
優しい気持ちにもなれる
冬が好きだ
この気持ち、あの子にもわかるだろうか
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