すべての記憶。
私は、全てを伝えた。
私が、先生をどう思っていたのか。
「思い……出したのか?やっと……思い出したのか?」
「はい……初恋の人。」
ギュッ
私は抱き締められた。
「俺も、お前のことが好きだった。
「でも、年齢の差が、大きすぎた。
「だから、俺は、……ち、ちひろが、この高校に入ることが分かっていた。
「だから……先生として、側に居たかった。」
「さっき、ちひろは、好きだったと、言ったが、
この先は聞きたくない。
私が、壊れてしまうから。
「俺のことを、まだ、好きでいてくれてたのか?」
私は泣いた。熱い湿り気のあるものが、ボロボロと流れ落ちた。
「……鈍いですよぉ。先生。」
「…………鈍いのはちひろだろ。」
「………バカ。」
私は、家に「今日は、もっくん家に泊めてもらう。」といった。
お母さんは、「気を付けなさいよ。」としか言わなかった。
お母さんなりの、精一杯の気遣いだろう。
そして、シャワーを浴び、私は今、ベッドの上にいる。
その隣には、私の愛した人。
いや、今も愛してる、最愛の人。
その人に、私は全てを捧げ、その人だけの
互いに激しく求め合い、互いに果てるまで続く。
「なぁ、知ってるか?」
「何が?」
「『夢空間』ってな。」
「結局は、ただの『夢』なんだぜ。」
「なにそれ。」クスクスクス
夢空間 美織 @days
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