年の差遠距離百合恋愛

小紫-こむらさきー

鈍く光る銀の指輪

「ミーくん! 久しぶり」


 最近めっきり減った彼女とのデート。

 付き合い始めは一か月に一回はデートしてたよなーなんて思い出す。

 僕が高校に入学してから1ヶ月ほど経った辺りから始めたこの関係も、もうずいぶん長いものになっていた。

 あの時、まだ中二病を引きずっていた僕も、もう二十歳を過ぎているし、彼女はひとまわりとちょっと上だから……四捨五入したら四十歳ということになる。

 彼女のいわゆる”結婚適齢期”とやらを全部僕が奪ってしまったという事実に罪悪感を抱えながら、僕は鉛のように重い体を引きずってデートへ赴いた。

 決して高くない給料の彼女が、僕のために出してくれた鈍行の新幹線チケットに、こんな気持ちで乗っていることも、更に罪悪感を加速させる。それから逃げたくて、僕は車内でビールを数本飲み、自分に対して「僕は彼女が好きだし、僕は彼女と今から楽しいデートをするんだ」と言い聞かせる。

 長い長い時間が過ぎ、新幹線は新大阪駅に到着した。全然軽やかじゃない気分で、重い体を引きずるように開いたドアから降りると、ホームでうきうきとした表情で待ち構えている彼女に笑いかけた。


 以前勤めていた婚礼系の仕事は、僕と彼女の将来をどうしても考えてしまうことと、保育士で暦通りにしか休めない彼女とデートできなくなるという理由で辞めた。

 いざとなったら、彼女に養ってもらえばいいかなんて考えてもいるんだけど、デートの一週間前から憂鬱になって謎の発熱がするような体質になっているので正直それも気が進まない。

 人生どうしようかなー詰んだら自殺するかーなんてカジュアルに考えながら、将来の憂鬱から目をそらすように彼女とのデートを楽しむことにした。

 楽しめない。


「今日のお化粧なんかかわいいね」


「あ! ミーくん気が付いた?これケイトの新色なの」


 本当は全然気が付いてない。洋服を褒めるとこの前みたく「クリスマスイブの時にも着てたんだけど……」みたいな地雷を踏むということを覚えたので服は褒めないことにしただけだ。

 でも本音を言うと怒るんだろうなーって思ってるから、ニコニコして適当に話を合わせる。


 今回のデートでも、僕は彼女からお財布を渡された。


「やっぱり、お会計は彼氏に払ってほしいよね」


 無邪気な笑顔の36歳。

 『彼氏』なあ。

 所詮男性の代わりでしかないのかなーとか、僕の体のラインが出る服を着て嫌な顔をするのはやっぱり僕を「男性」として見てるんだろうなーって感じて、少し胸が痛む。

 女の子として見られるのが嫌なだけで、男の子として見られたいわけではないんだけど、それを言うのはわがままな気がして、そしていちいち説明することがとてもめんどくさくて気が付かない振りをする。


 今日は、なんか少し大きめのショッピングモールに行くらしい。

 メガネ合わなくなってきたんだよねーって言ったら、「私が選んであげる」ってなんか盛り上がったらしくて、僕もメガネ代浮くぜやったーって感じで大阪までわざわざ行ってメガネを作ることにした。

 交通費も彼女持ち。愛されてるんだろうなと、心の中も体も重くなるのを感じない振りをして、笑顔を表情に張り付ける。


「あれ? ミーくん……ストラップつけてくれてないの?」


 彼女といるときは、携帯をあまり触れないし、鳴ったら鳴ったで不機嫌になって「どうせ浮気してるんでしょ」みたいになるから、早めにサイレントモードにしておこうって思って携帯電話を取り出したのが間違いだった。

 彼女が言っているのは、というか半年くらい前のネズミと魔法のワンダーランドデートの時に買ったストラップの代わりの送ったデカい十字架のストラップのことだ。

 二つセットで売ってて、揃えると何か別の形になるカップル定番ともいえる、幸せのアイテム。

 以前も買って貰ったストラップを壊してしまった時に「あれ気に入ってたのに携帯に着けてたら壊れちゃったんだよねー」と正直に言ったら「私たちの関係も壊れちゃうのかもね」とか意味わからないことを言われながら電話口で三時間くらい泣かれた。

 そのときに、翌日メールで「昨日はごめんね。ストラップまた買おうね」って言われて、数日後、銀のデカい十字架のストラップが送られてきた。

 これも二つ組み合わせるとなんらかのものが出来上がるっぽいんだけど、大きくて邪魔だし、壊してまた3時間泣かれるのが嫌だったから基本的に普段はしまっておいて会いに行く時だけつけようとしていて、それでしまった場所を忘れて無くしたんだった。

 一番機嫌を損ねないベスト回答はどれだ……と考えているうちに運転席に座る彼女の表情はどんどん曇っていく。


「ちがうちがう。また壊すのが嫌だったから大切にしまってたんだよ! それでね、急いでて忘れちゃって……ごめんね」


 嘘はついてない。ギリギリ。

 ここで機嫌を損ねたら、たぶん眼鏡を買うどころの話じゃなくなる。

 帰りの新幹線のチケットも買ってもらわないといけない。頼む。持ち直してくれ。


「今度来た時に絶対持ってくるから。ごめんね、いくらミカちゃんから貰ったものでも大切にしすぎるのもよくないよね」


 彼女の表情を見て、まだ喜ばせ足りないと思って追加した台詞を言う。

 彼女の顔から不機嫌の気配が消える。

 ミッション成功。


「もう! ミーくんったら忘れっぽいんだから」


 彼女は頬を膨らませて一応怒ったアピールはしてるけど、なんとかご機嫌でよかった。

 ここから一泊二日、さすがに初っ端から針のむしろにいるみたいな雰囲気は避けたいもんな。


 そのまま順調にドライブは続き、少し大きなショッピングモールに付いた。

 さすが夏休み。なんだか高校生くらいのカップルが多い。

 僕と彼女は、車を降りて手をつなぐと少し強めにクーラーが効いているビルの中に足を踏み入れた。


 メガネも数時間で出来るし、ご飯でも食べようかーなんて話しているときに、彼女の足が止まった。

 目の前にはアクセサリー店。


「こういうのいいよねー」


「ミーくんもそう思う? じゃあ買おっか!」


 適当に話を合わせただけだったのに、彼女がやけに即決で答えた。

 え? まじで? え?

 少し狼狽えている間に彼女はなんか女の店員さんと話してる。

 ものの数秒で指輪を買ったんだけど。これ絶対前々から狙ってたでしょなんて思えてくる。


 そして目の前に出されたのは、彼女とのペアリングだった。

 シンプルなデザインで、黒いラインが指輪の真ん中に通っている。

 結婚指輪みたいだなという重いが頭に浮かび、なんだか気分がとても重くなる。

 彼女はさっそく左手に薬指に指輪をはめていた。

 彼女のほうの指輪は僕のデザインと少し違っていて、中央には黒ではなく白いラインが通っている。


「ね、結婚指輪みたくない?」


 重い。

 36歳からその発言は、重い。


「そうだね」


 結婚出来たらいいよね。とは言えなかった。

 一応、僕たちは女同士だから、今の法律では結婚も出来ないし。

 彼女もうすぐ40歳だもんな……。しかも同性と付き合うの僕とが初めてなんだもんなー。

 年上の同性と付き合うという重圧が、なんだか僕の内臓まで圧迫してくる気がして喉元に酸っぱい何かがこみ上げてきそうになる。


 彼女から渡されたそれを、自分も左手の薬指にはめる。

 少し緩い指輪は、手を傾けると少し揺れる。その感触は実物よりも重く感じて、連動するみたいに気持ちも重くなった。


「お腹すいたなーなんか食べようよ」


 重い気持ちをごまかすように彼女の手を引きながらその場を離れた。

 もうこの指輪の話題を続けたくなかったのもある。

 出会ってから7年。彼女は36歳。結婚適齢期というやつは、僕が奪ってしまった。彼女の本来得るべきだった幸せを、僕が奪っている気がして、罪悪感がどんどん膨らんでいく。

 責任……取らないといけないよな……とは思っていた。

 正直、彼女のことは好きではないけど嫌いではない。ただ、責任を感じているから、別れようと思わないってだけで、一生を共にするって考えるとどうしてもウッと息が詰まるようなそんな感覚に陥るのだった。

 そう。まだ考えないようにしよう。

 彼女とたまに会って楽しませて、もうしばらくはそれだけでいいよねって自分に言い聞かせる。


 そのあとは、ハンバーグを食べたのに憂鬱すぎて砂みたいな味しかしなかったし、ビールを飲んでも酔えなかった。

 適当に何か話したりして、メガネを取りに行って彼女と明日の話なんかをした。

 彼女の言葉に自動で受け答えしてるみたいで、何を話したかは正直覚えていなかった。

 彼女とデートしてる自分と、それを少し上のほうから見ながら結婚…と呻いてる僕みたいな感覚。


「今日は楽しかったねー。指輪も買えたし」


 帰りの車の中、避けていた指輪の話題を彼女が嬉しそうに話した。

 よっぽど欲しかったんだな…そうだよな同年代は多分結婚した人とか多いだろうなーこれだけ喜んでるんだから自分を殺して一緒にいくらでも指輪の話題をしてあげたほうがいいんじゃないかななんて思って、指輪に意識を向けようとした。

 指に触れるたびに気持ちが暗くなるので意識から切り離していた指輪。

 覚悟を決めてから改めて意識をすると、なんのことはない。指輪の重みなんて感じない。

 考えすぎだったよなーそうだよなー指輪があんな重く感じるなんてね。ほら、ちゃんと結婚的なあれこれなんて面倒なこと関連付けしないでいれば指輪の重みなんてなくなるよね。まるでそこに指輪なんてないみたいに。


 そう思って、見ないようにしていた左手の薬指に目をやった。


 指輪がない。

 そりゃ重みなんて感じないよ。ないんだもん。


 いつ落とした?


 焦って記憶を手繰ろうとするが全く思い出せない。

 当たり前だ。わざと意識から指輪の存在を切り離してたもんな。

 これは、バレる前に自己申告するのが正解か、バレるまでは知らない振りをしておくのがいいか。

 

「あー! どうしよう!」


 わざとらしいくらいのオーバーリアクションで僕は声をあげることにした。

 後々バレて「なんで気が付かなかったの?」って責められるよりは、自分から気が付いたほうがましな気がしたんだ。


「指輪……なくしたかも。まじでごめん……」


 かもじゃないんだよと、自分で自分につっこみしそうになる。白々しい僕の言葉に、さっそく彼女の表情が曇る。今にも泣きだしそうな顔をしてる。

 そりゃそうだよなあ。結婚指輪の代わりだもんな。


「え? 本当に? 車の中に落ちてない?」


「探してみる」


 ないことはわかってる。

 無くしたって気が付いたときにそっと手で触って確かめたんだよな。

 一応、あるといいなーなんて思いながら改めて座席の下を見てみる。


やっぱりない。


「まじでごめんね……せっかく買ってくれたのに……」


「無くしちゃったものは仕方ないよ。大丈夫」


 最高に申し訳なさそうな声を出す僕。

 車が走ってるとはいえ、僕のほうをちらりとすら見もしない彼女。

 これ知ってる。ノーヒントどう慰めればいいかゲームが始まるやつだ。

 まあなー怒るよねーわかる。めんどくさいな。

 お互い無言のまま車は進んでいく。帰りたい。


 でも、今何を言ってもたぶんダメじゃん? 話し合いとかできないじゃん。

 だから、冷静になってから謝って、代わりの指輪を買おうって提案する作戦とか良いのでは……なんて考えながら

神妙そうな顔を作りながらも、内心は呑気な感じで久しぶりに見る関西の景色を眺めていた。

 ショッピングモールから家までの距離を半分くらい消化したくらいかなー無言の時間、携帯も見れないし暇だなー。


「ねえ、なんでミーくんは黙ってるの?」


 唐突の泣きそうな彼女の声に驚く。こう攻めてきたか。


「いや……今話してもお互い冷静じゃないからまともに話せないじゃん」 


 つい本音を返してしまった後、しまった…と気が付く。

 本音を相手にぶつけても何もいいことなんてないと、さんざん学習したはず……。

 恐る恐る運転席に座る彼女の横顔を覗き見ると、顔を真っ赤にして今にも泣きそうな顔をしていた。

 

 ……めんどくせえ。


 指輪を無くしたのは確かに僕が悪いんだけどさ。 


「冷静に話す必要なんてないじゃん! もっと、感情をぶつけてほしい! もっと一緒に怒ったりして欲しい」


 どうしよう。何も理解できない感覚だ。

 一緒に怒る? なに? 怒鳴り合えばいいのか?

 それは怒る演技をすればいいってことかなって言葉が喉まで出かかっていたけど、それをぎりぎり押し込めた。

 売り言葉に買い言葉なんてしても、多分僕にいいことなんてない。


「ごめんね……そうできるように頑張るよ」


「そうやっていつもなんで優しいの! もっとわたしと一緒になって怒ってよ」


 精一杯の返答。でも気持ちが高まった彼女のトークは止まらない。

 まじかー優しくするのもダメなのかー。どうしようもなくないですか?

 あまりの意味の分からなさに思わず笑いがこみ上げてきそうになる。

 

「いやだから無理だって言ってるじゃん。がんばるっていってるのにこれ以上どうしろっていうんだよ」


 メガネも買ってもらったし、目的を遂行したって意識が僕の中で大きかったのかもしれない。

 つい、感情的になってしまってきつい言葉をぶつけてしまう。

 でも結果的に、彼女の望み通り怒ったんだからこれが正解なのでは? なんて頭の中の冷静な僕が呑気に分析している。


「ミーくん酷い……。私のこともう好きじゃないなら言ってよ……」


 ええええええ。さっき怒ってよとか優しいのが嫌とか言ってたじゃん。

 そんなことを思っても顔に出してはいけない。

 そうだ。何を言うかが問題なんじゃない。

 今この場の彼女のリクエストにとしてどう正解するかが重要なんだ。

 心と頭を無にしろ。相手の欲しい言葉だけ言えと自分に言い聞かせながら、僕は彼女への返答を考える。


「ごめん。ミカちゃんのこと好きだよ。大好きなんだよ……だから怒りたくなんてないんだって」


 これは百点の台詞でしょ。

 メガネは買ってもらったけど、まだ帰りの新幹線のチケットは買ってもらっていない。自腹では絶対に東京まで帰れない。


「指輪さ、俺がまた買い直すよ。二人の結婚指輪」


「ミーくん……。やくそく……してね……絶対だよ……」


 押しの一手で正解にたどり着けたらしい。

 涙をぽろぽろと流しながら運転を続けている彼女に、ティッシュを渡してあげながら僕はこみ上げてくる吐き気と戦った。

 結婚指輪を自分がプレゼントするって重みに正直耐えられそうになかった。

 少しだけ会って、こうして何か買ってもらって、彼女が楽しくいられるようにがんばるのはなんとか平気なんだけど、じゃあ、彼女と毎日一緒にいて、このわけのわからないやりとりをする日々を何年も何十年も続けられるかっていうのは正直無理としか思えなかった。


 家に着いたあと、泣いて目を腫らした彼女と手をつないで部屋に入る。

 気分は最高に憂鬱で、胃腸がキリキリして今にもご飯の時に飲んだビールが喉の上まで昇ってきそうな感覚だった。


「わたしも、もう気にしないから、ミーくんも気にしないで」


 幸い、彼女は僕が指輪を無くしたことを気にしてると思ってくれてるらしい。

 いったん荷物を置いて、近所のスーパーまで一緒に買い物に行く。


「二人で暮らすようになったらさ、ミーくんとこうして毎日お買い物できるかな?」


 なんて答えたかなんて覚えてなかった。

 ただ笑顔を張り付けて何か求めている答えを自動的に返す。

 僕の思考のコアは、この湧き上がる嫌悪感と吐き気を表に出さないことに全力でリソースを割く。

 同性でも結婚で来たら僕と彼女の関係は違っただろうかなんて考えたけど、現状が変わるわけでもないただの現実逃避だった。


 彼女のこと、嫌いではない。

 『好きではない』に変わったときから、もう壊れていたのかもなって思うけど、でもどうしても、僕は僕が奪った彼女の大切な時間、家族を持てたかもしれない幸せを考えるとこのいびつでしかない関係を終わらせようということが出来なかった。


 好きな人が出来たら変わるんだろうか。

 でも、好きな人が出来ても、またこうして相手を好きではなくなって嫌いじゃないから別れないってことになるなら結局今のままでも僕の苦しみは変わらないし、彼女を裏切るという罪を犯さなくて済むんじゃないか。

 いや、彼女の残りの時間も蝕んでいることのほうが罪が重いのではないか…。

 ぐるぐると考えが頭の中をまわる。


 翌日の記憶もあいまいなまま帰りの時間になる。

 やっと触れる携帯電話。

 彼女から離れるときの少しの名残惜しさと、圧倒的解放感。


「次はいつ会えるかな? きっとすぐだよね? ミーくん、大好きだよ」


「うん。俺も大好きだよ。またね」


 新幹線が走り出し、彼女の姿があっという間に遠くに消えた。

 新幹線のアナウンスが流れ始めてすぐ携帯のランプがちかちかと点滅した。

 彼女からのメールだった。


 僕は、彼女からのメールを見もせずにゴミ箱へ送ると携帯を乱暴にカバンの奥底に押し込めよう手を入れた。

 ふと、冷たいものが指に触れる。

 恐る恐るそれをつまんで取り出してみると、それは無くしたと思っていた彼女とのペアリングだった。

 結婚できない僕と彼女の結婚指輪だったものを見て、心臓がぎゅっと掴まれたみたいに痛んだ。


 僕は、乱暴に立ち上がると、新幹線のデッキへと速足で向かい、指輪を持った手を力いっぱい「その他のゴミ」と書いてある箱の入り口につっこんだ。

 そして、握っていた手をほどき、指輪の感触が手から消えるのを確認した僕はゆっくりとした足取りで自分の席に戻った。

 心臓がバクバクしているけど、なんだか晴れ晴れしい気持ちだった。


『また会おうね。愛してるよ』


 彼女にそれだけメールをして、僕は瞼を閉じた。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

年の差遠距離百合恋愛 小紫-こむらさきー @violetsnake206

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ