正気に……勝機に……

いやいや、全力で楽しんじゃダメだろ!おい!何楽しんでたんだよ!いやーさ、こんなダメダメ上司(武さん)のためにしてあげなきゃっ……って、なにいってんだよ!あのホモやろうは一生ホモホモしてろと心に叫んだじゃないか…って、なに武さんのことばっかり考えてるんだろ………


「……ァンチャン」


あー、なんだか自分が自分じゃないみたい……私って、執念深いのかな……失恋はやっぱりみんな悲しいのかな…でも、ここまで武さんのことを考えるなんてやっぱり異常?でも、そんな感じで見てたら、もう先輩とは…………………


「ロアンちゃん!」

「はへ………どうしました?武さん」

「あぁ、良かった。何回呼んでも反応してくれなかったから…」


はぁ、すみません。ちょっと意識が飛んでいました。ふへ。


「で、どうしたんですか?」

「えっとね、今日の予定をつくってくれたのは、ロアンちゃんのお陰だから…」

「はい、わたしのお陰ですから?」

「えっと……二人でまわらない?」

「・・・」バターン


えっ?えっ??えっ???武さんが?私と?どうかしたんですか?えっ?……なんか嬉しい……かも。


「本当にいいんですか?」


うわめづかいで武さんを見上げる。


「もちろんだよ!」


真っ白な歯を輝かせて武さんが答えてくれる。あぁ、わたしやっぱり……


「じゃあ、めいいっぱい、回りましょう!」


それから、私たちはデートと呼ばれるものをした。メリーゴーランドに乗ったり、観覧車で横にならんで座ったり……


「今日は楽しかったな!」

「はいっ!」

「ロアンくん。楽しかったかね!」

「あっ、今日はありがとうございました!」

「いいよいいよ。」


高浜さんがにやにやしながらこちらを見てくる。今、私たちは夜のパレードを見ている。こっそり、武さんが、手を繋いでいるのには気づかないふりをして…


「きれい………」

「ほんとだ…」

「……武さんがそんなこと言うなんて意外ですね!」

「心おれるわ~」

「ふふっ。」

「ははっ。」


そこから私たちは解散をし、私は、家へと戻った。


お風呂から上がり、部屋着に着替えてゆっくりとくつろいでいると、携帯がなる。


『今日は楽しかったね!

 いきなりだけど、明日、家に来てもらって

 いい?ダメだったら、俺が家にいくけど…

 どっちがいい?           』


ええーーーーーーーーーーーーーーーー!?

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