こんな先輩で大丈夫……なの?

「いや、本当ですよ。」


 高浜さんが、武さんに、恋愛感情を持っていないのは事実。


 だだし、武さんが、その事実に気づいてない。


 凄い『ポジティブシンキング』だ。


「えー。じゃあ、俺、これからどうすれば良いんだよ。」

「その辺は………ファイト!」


 脱走。


 シュタタタター.


「マッテー! ロアンちゃん………ロアンちゃん!」


 追いついてきやがった。


「かき氷。」

「ん?」

「かき氷、奢ってくれたら、良いですよ。」

「マジで?」

「辞めま…「よろしくお願いします。」

「………分かりました。」


 あっさり、承諾した。


 かき氷、食べてみたかったんだ~。


「お帰り~。」

「あーきーらーさーんー。」

「宇宙人みたいなことしなくても、疲れてることは分かるから。」


 あー。実際に『働く』ってことが、どれだけ大変かが見に染みた。


 これじゃ、性的興奮がおかしくなるのも無理はない。(いっちゃダメ。)


「ロアンちゃん。お疲れさま。」

「お疲れさまです。では。」



 テクテクテクテクテクテクテクテクテク


「そういや、かき氷、どこで食べるの?」


 テクテクテクテク ピタッ


「どこで食べるんだよ。って、おい?ロア…」


 フルフルワナワナ


「考えてくださいよ!」


 チーン


「あっ、定員さーん。かき氷苺1つ!」

「はーい。」


 ファミレスに来た。


「水、汲んでこようか?」

「よろしくお願いします。」

「氷は?」

「無しで。」

「ほいほーい!」


 意外と紳士的なのである。この人は。












 ドキドキ ドキドキ











 へ?


「はい、水。」

「あ、ありがとうございます。」

「ん?ロアンちゃん、風邪引いた?」

「……?いえ。」

「いや、何でもない。」


 なんだったんだろう。この気持ち。



「それで、ロアンちゃん。どうすれば良いんだよ。」



 ムシャムシャ


「ロアンちゃーん?」



 ムシャムシャ ムシャムシャ


「ロアン?」


「すいません。」


 変なところで怖いな。この先輩は。











 ……と言うか、後輩に相談事がある時点で、



    先輩としてどうなんだ?

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