出会いは突然変異なのです。

 出勤3日目。


 今日は、いつもとは違う日。


 なんと、今日はあの!高浜さんが来るのです!


「おはようございまーす!」

「いつもにまして、上機嫌だね。ロアンちゃん。」

「…………おはようございます。」

「……俺、なんか悪いことした?」


 スキップるんるん気分だったのに、武さんとあった瞬間、硬直した。


「昨日、メールで言ったけど……」

「今日は高浜さんが来るんですよね。」

「……………ロアンちゃん、意外と楽しみなんだ。」

「五月蝿いですよ。ほら、さっさと仕事に行きますよ!」

「はいはい。」


 図星をつかれました。意外と侮れない。


「じゃあ、今日から、実際に現場に出てみるんだよね。」

「はい。頑張ります。」

「じゃあ、俺は、遠目から見てるから、なにか分からないことがあったら職員用トランシーバーを使って連絡してね。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「これくらい、どうってことないよ。」


 やっぱり、意外とできる人だ。


「じゃあ、頑張ってね。」

「はい。先輩。」


 そして、私は今日の業務に勤しんだ。


 そう、それは、お昼休みのこと。


「こんにちは。」

「やぁ、高浜さん。いらっしゃい!」

「おい、俺の店なんだから、そう言うときは、お帰りなさい。だろ?」

「はいはい。お帰りなさい。」


 そう。高浜さんは、ここのオーナーなのです!

 高収入!イケメン!オーナー!

 理想の男性の3拍子、見事に揃ってる、できる男なんです。


「ロアン!」

「高浜さん。」

「この仕事は馴れたかな?」

「まぁ。ボチボチですかね。」

「そうかそうか。」


 後ろから殺気を感じた………と思ったら、武さんだった。


 こっちにくればいいのに………


「おう!武ー!」

「おっす!です!高橋さん!」

「今日も元気だな。」

「あざっす!」


 凄い変わりようだ……


「ロアンちゃん、ちょっといいかな。」

「はい?どうしました?」

「まぁちょっと………」

「ふははは。私はお邪魔かな?」

「あっ、すみません。ちょっとロアンをお借りします。」



「私は物じゃないですぅー!」プゥ



 そして、私は武さんにあの裏口に連れてこられた。


「ロアンちゃん、どう?」

「……うーん。頑張ればいけそうですけど…でも…………」

「でも?」


 武さん、本当に気付いてないのかな。


「高橋さん、武さんのことを、











 ただの良い後輩としか思ってませんよ?」
















         「マジで?………」





 武さん、本当に気づいてなかったのか……


 鈍すぎだろ。

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