えっと……習ってないところって、テストに出ますか?

 ハッハッハ. 待ち合わせの裏口に着くと、武さんが居た。


「遅くなりました。」

「いいよ。俺も、少しはやく来ちゃったし。」



「で、さっきの返事なんだけど………」



 ついに、返事が分かる。ドキドキ バクバク





「ごめんなさい!」





 まぁ、そうですよね。

そうだよね。出会って1日で告白だもんね。

フられることなんて確実で……あれ?


 私、泣いてる?


 これが、『悲しみ』?それとも、『失恋』?


 私の顔を伝う、少し…いや、かなり湿った『なにか』。







 これが………『涙』






 ヒック ヒック


「ごめんな。」


 しゃくりながら泣く私を武さんは、ずっと見ていた。


「あっ、いえ。グズッ 大丈夫でず。」


「ごめんな。……実は俺、











           ホモなんだ。」












 ふぇ?



「えっと、だから、」











「俺は、の。」



 ………あっ。はい。納得しました。



 こいつ、ホモだったのか。


 よく見ればわかったはずだ。



(こいつはいつも男の先輩とイチャイチャ。明さんの情報によると、こいつは休みの日、男の先輩と遊びにいっているのだそうだ。)



 つまり、とんでもない


「あっ、分かりました。それじゃあこれで……」


「ちょっと待ってくれ!」


 手を捕まれた。


 ………キモチワルイ


「俺、今好きな先輩がいるんだけど……」


 このあとのオチは、大体の人が想像できますよね。


「俺の恋愛を手伝ってくれ!」


「お断りします。」


「なんでー!」


「お断りします。」

「では。」


 うーむ。立ち去ってからよく考えたのだが、



『キューピッド』として役に立つのも悪くない!


 幸い、武のクズにも、男友達(?)がたくさんいるらしいので、



 今度こそ、本物の恋をゲットしてやる!

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