第19話「まともな戦争じゃない」

 街明まちあかりを忘れて久しいかつての皇都こうとは、漆黒の闇に沈んで今は見えない。

 生命の灯火ともしびを全て喪失した大都市の残滓ざんしは、黒一色に広がる虚無の深淵にも似て。その上を飛ぶ巨大な高高度巡航輸送艦こうこうどじゅんこうゆそうかん羅臼らうすだけが、轟音を響かせながら警戒のサーチライトで闇夜を切り裂いていたい。

 巨艦後部の大半を締める格納庫の、開かれたハッチの外の、暗黒の世界。

 吹き荒ぶ風の中、五百雀千雪イオジャクチユキは高鳴る金属音とオイルや火薬の臭いに身を委ねていた。

 手にしたヘッドギアをかぶって、これから出撃となる。

 この足元には今も、戦略級の絶対戦力とされるセラフ級パラレイド、サマエルが潜んでいるのだ。一人緊張感を高める千雪の肩を、ポンと気安く叩く大きな手。

 振り向けばそこには、いつもの締まらない笑みを浮かべた兄の姿があった。


「悪ぃな、千雪。全員では出れねえが、俺だけってのも心細いからよ。ほら、お兄ちゃんは繊細で寂しがり屋だからな! はは」


 千雪の兄、五百雀辰馬イオジャクタツマは表情だけは陽気に笑っている。

 軽快なフットワークに軽妙な口先、そして軽薄とさえ言える軟派な態度……だが、辰馬を信じてつどった皇立兵練予備校青森校区こうりつへいれんよびこうあおもりこうく戦技教導部せんりきょうどうぶは、全国有数の強豪へと成長していた。去年の全国総合競戦演習ぜんこくそうごうきょうせんえんしゅうではベスト4に食い込み、その戦いぶりはフェンリルの名で恐れられた。

 北の果てまで全てを飲み込む魔狼まろう、フェンリル……その名は今、正規軍に半ば強引に編入された千雪たち、皇国海軍PMR戦術実験小隊こうこくかいぐんパメラせんじゅつじっけんしょうたいの俗称だ。


「兄様は私が守ります。守ります、けど……二機での強行偵察、危険ではないでしょうか」

「危険だからお前がいるんだろう? 頼りにしてるぜ、愚妹ぐまいよ。はっはっは、上手くお仕事できたら、お兄ちゃんがチューしてやるからな!」

「……いりませんとか、結構ですとか、そういうのじゃなくて……嫌なのかよ、トホホ」


 口ではそう言いつつ、大げさな表情で落ち込んで見せる辰馬。だが、すぐにいつもの余裕を含んだ笑顔になった。辰馬は真面目にしてれば恐らく、美形と言われる類の男子だ。校区内でもファンは多いし、その多くが御巫桔梗ミカナギキキョウを恋敵と知って諦めてゆくのだ。

 二人はお似合いの美男美女……多分、近いうちに千雪の新しい家族になる仲だ。

 それは確信に近く、実感はまだないが千雪は喜ぶべきだと感じていた。


「千雪、俺の89式【幻雷げんらい改型壱号機かいがたいちごうきは、運用上の特性から通信機能や索敵機能が強化されている。指揮官機だからな、一応。それで、だ」

「兄様と二人、少数での偵察行動……なにかあったら本隊へ連絡して後退、ですね。問題はないと思います」

「ああ。……さっきの軍人さんじゃないけどよ、やっぱ幼年兵ようねんへいは極力巻き込みたくねえのよ。なんせ俺ら、ちょっと前まで同じ幼年兵だったんだからな」


 若くして各都道府県の皇立兵練予備校こうりつへいれんよびこうに放り込まれた少年少女は、有事の際には幼年兵として戦線へ投入される。弾除けに使われ正規軍の盾になり、使い捨てるように危険な作戦に駆り出されるのだ。

 パラレイドとの永きに渡る戦いは、終わりが見えず和平や停戦といった選択肢もない。滅ぶか、滅ぼすか……これは相互理解が完全に不能な者同士の、存在を賭けた生存競争なのだ。


「先程の方、陸軍の……」

「ああ。陸軍の美作総司ミマサカソウジ一尉な。なんか、熱い奴だったな……ヘッ、正規軍にもいるじゃねえかよ。話がわかる……話はわかる奴がよ」

「ええ。ですが」

「わーってる! ……言うなよ、言葉に出すな。そら、噂をすればなんとやら……お出ましだぜ?」


 辰馬が顎をしゃくったので、その方向へと千雪は視線を滑らせる。

 そこには、少し緊張して硬い桔梗と一緒に、若い陸軍の士官が歩み寄っていた。いましがた話題にのぼった美作総司一尉だ。

 総司は人懐っこい笑みで、親しげに語りかけてきた。


「やあ、五百雀辰馬君。……って読んだら、失礼かな? 五百雀二尉。先程はどうも、僕のことはもう知ってるかな? かわいい副官さんに聞いたら、ここだと知ってね」


 アイドリングで唸りを上げるパンツァー・モータロイドの側で、総司は一際大きな声を張り上げる。それに応える辰馬もまた、響き渡る起動音に逆らって叫んだ。


「ああ! これからちょっと妹と偵察に出る! あとは頼んだぜ、一尉さんよ。埼玉の連中はもう、出る必要はねえ……今夜くらいは交代で仮眠させてやってくれや」

「はは、余裕の気遣いだね。流石は全国でベスト4、フェンリルと恐れられた子供たちの隊長さんだ」


 総司の笑顔は、まるで軍人とは思えぬ程に柔らかく穏やかだ。

 千雪が知っている軍人とは、まず父だ。だが、千雪が知る父の姿は、驚くほどに印象がない。いつも任務で家にいなかったし、最後には永久にいなくなってしまった。今もシベリアのどこかで、氷漬けになって眠っているかもしれない。あるいは、骨も残さず蒸発して消えたか。

 だが、父が軍務で稼いだ全てが、千雪と辰馬を育ててくれた。

 そのことには感謝しているし、顔すら思い出せなくても、ずっと忘れないだろう。

 そして、そんな父の印象を台無しにするほど、千雪にとって正規軍の皇国軍人というのはうとましい存在だった。憎らしいと言ってもいい。なまじPMRに乗れて、しかもエース級の腕前を誇る千雪にとって……大人の軍人たちは皆、口先と階級だけの背景モブでしかない。

 だが、この背景にただ立つ脇役たちは、権限だけは強くてそれを主張してくるのだ。

 その先入観が軽く揺らぐ程度には、総司の物腰は柔らかかった。


「君と妹さんだけで? 二機でか、英断だね……少数精鋭なら接敵時のリスクも少なく、退却の選択肢も絞り込みやすい。ただ、ちょっと心配だな」


 気さくに笑って、総司はすぐ側の巨躯きょくを見上げる。

 今、すぐ近くに辰馬の改型壱号機かいがたいちごうきが片膝を突いていた。純白に塗られた機体は、フェンリル小隊の隊長機だ。各部を限界までチューニングしたジャジャ馬仕様なのは、他の改型と変わらない。それどころか、オーソドックスなトルーパー・プリセットに準じたアサルトライフルと大型シールドは、極めてまともな機体にすら見えた。

 その横には空色の、千雪の改型参号機かいがたさんごうきが降着しているので、なおさらだ。

 改型参号機は、既に原型機であるノーマルの【幻雷】とは大幅に違う。両手両足は別物に変えられ、肩も脚も増設したラジカルシリンダーと装甲でマッシブに膨らんでいる。頭部には一角獣ユニコーンのような角が長く伸びていた。

 近接格闘用に特化した異形のPMRに比べれば、辰馬の改型壱号機は至極真っ当だ。

 ――乗ったことがない者は皆、そう判断するだろう。

 そして、どうやら総司も同じようだ。


「君の機体だね、これは。フェンリルのフラッグシップ……旗機りょうきという訳だ。通信と索敵系の強化、それとセンサー類の増設。なるほ、司令塔を担う君らしい」


 褒めているつもりなのだと、千雪は思う。そして、辰馬は「どうも」と応じて、気分を害した風にも見えない。だが、外から見てまともに見えるのは、他の改型が全て異常なピーキーチューンドだからだ。狙撃能力だけを極端に強化したスナイパー専用の改型弐号機かいがたにごうきに、千雪の改型参号機。そして、真紅の改型四号機かいがたよんごうきにいたっては、大半の装甲を軽量化のために取っ払ったネイキッドな駆逐仕様くちくしようだ。

 その中では、辰馬の機体は比較的まともに見える。

 誰もがそう思うだろう……乗ったことがない誰もが。

 だが、旧式機となって皇立兵練予備校の教練用きょうれんようになった89式【幻雷】も、極端なチューニングでモンスターマシンに化ける。安定性や操作性を引き換えにして得た、各々の突出した持ち味は乗り手を選んだ。

 勿論、辰馬の改型壱号機も例外ではないのだ。

 そう思えば不思議と、兄を子供扱いしたそうな総司を見る目に優越感が入り交じる。失礼だと思いつつも、千雪はほがらか過ぎて妙に人当たりの柔らかな総司が、ちょっとだけ面白かった。

 だが、次の会話でほのぼのとした空気は霧散してしまう。


「ああ、そうだ。辰馬君。僕も偵察に同行しよう。君たちだけを危険な目には合わせられない。埼玉校区の子供たちの手前もあるしね」

「あ、ああ……そりゃいいが、なあ? 千雪」


 恐らく、こういった生真面目で実直な人柄、責任感の強さが総司の人となりなのだろう。完全な善意からの言葉で、そこには彼なりの挟持きょうじが見て取れた。

 だが、千雪たちはこれからピクニックに出かける訳ではない。

 夜間の極めて危険な偵察任務に出て、島一つを消滅させるような敵を探さねばならないのだ。それも、敵に……サマエルに見つけられる前に。

 千雪が口を挟もうとしたその時、研ぎ澄ましたような硬い言葉が彼に総司に突き刺さった。


「失礼ですが美作一尉。一尉の94式【星炎せいえん】でついていけますか? 辰馬さんの……五百雀二尉の脚を引っ張らないで欲しいのですが」


 あちゃー、という風に辰馬は顔を手で覆って「おい桔梗」とたしなめた。だが、サングラスの奥に視線を隠した桔梗は、僅かに総髪を揺らして動じない。

 あくまで桔梗は、冷静沈着で冷酷な副官を演じきるつもりらしい。

 よせばいいのにと思っていると、不意に総司が笑った。


「っと、ごめんごめん。おかしくて……いや、失礼。十も年の違う子たちが、なんて健気なと思ってね。非礼を詫びるよ、ええと」

「桔梗です。御巫桔梗、階級は皇国海軍准尉……わたくしこそ、失礼を」

「僕もそれなりに腕に自信はあるつもりさ。そして、君たち幼年兵のこともよくわかっている。現状を把握して、打開せねばならないとも思っているよ。真っ先に子供から死んでゆくような戦争は、もう……まともな戦争ではないから」


 千雪たちの前で総司は、肩をすくめて溜息を零した。

 だが、思わず反射的に千雪は、思ったことが口から飛び出した。

 なにか、酷く嫌な気がして、少し気にさわったのかもしれない。自分でも驚いたが、些細なことが聞き流せない程度には、聞き捨てならない総司の言い様が確かにあった。


「……まともな戦争というのはあるんですか? 美作一尉」


 千雪の言葉は、いつにもまして怜悧れいりな刃となって放たれた。その見えない切っ先が突き刺さったのは、鼻白む総司だ。彼は言葉を失ってしまったが、千雪は取り繕う素振りも見せない。そして、それは愛想のいい辰馬もそうだし、表情を全て置いてきた桔梗も一緒だった。

 千雪たちは知っている。

 身をもって思い知らされたし、骨の髄まで身に染みている。

 戦争という非日常が、平素の日常として定着してしまった世界で、千雪たちもずっと戦ってきたのだ。パラレイドと、高圧的で無謀な軍と……今という時代の全てと。千雪たちだけではない、幼年兵になるしかなかった少年少女は、今この瞬間も世界のどこかで戦っている。

 そのことを思えば、どこか綺麗事に聴こえる総司の言葉はむなしい。

 そればかりか、幼年兵たちを気遣いつつどこか他人事のような、達観を通り越した諦観の念すら感じさせた。

 気まずい沈黙の中で、アイドルアップを終えたPMRの周囲が慌ただしくなる。

 整備班の大人たちが行き交う中から、よどんだ空気を吹き飛ばす風が吹いた。それは、気風の良い器量良しな少女で、千雪たちフェンリル小隊にとっては信頼できるメカニックだ。

 小走りに駆けてきた佐伯瑠璃サエキラピスは、妙に顔を強張らせた一同に向かって呼びかける。


「桔梗、準備できたで? 新装備、チェックせんと……ありゃ? なんねなんね、揃って不景気な顔して……せや、辰馬! 偵察任務、気をつけてなあ。千雪ちゃんやったら、しっかり守ってくれるさかい」


 それだけ言うと、瑠璃は「ハイハイ、動いて動いて!」と張りのある声で手を叩く。ようやく自分のおとなげのなさに負けて、千雪は小さく総司に謝罪した。総司は総司で、恐縮したように頭をかいている。

 結局、彼は一部言い回しに不適切な表現があったことを認めてくれた。

 だが、総司は改めて偵察への同行を主張し、それを曲げない。

 渋々という内心を全く見せずに、辰馬は笑顔でそれを了承するしかなかったようだ。その間ずっと瑠璃は、桔梗を難しい顔で腕組み見詰めていた。

 瑠璃はウーンと唸ると、やはり皆と同じことを言い出す。


「なあ、桔梗……なんや、あれやわあ」

「はい? なにかおかしいでしょうか、瑠璃さん」

「そのサングラスと髪型、やめえや? 恐ろしい程に似合ってへんで。なんやのそれ、なにがしたいん? ただの怪しいオネーチャンやで、今。普段のふわふわなイラッとする感じの方が、百万倍はマシやね」

「……やっぱり、そうなんですか……お、おかしいですね。少しイメチェンしたくて、その」


 千雪も思ってたし、辰馬は二度も言った。そして今、瑠璃も全く同じ言葉を選んだのだ。ようやく桔梗は、自信喪失いといった面持ちでサングラスを外す。

 レンズがないとよく見えないらしく、桔梗は目を細めて少しすがめるような表情になった。

 そんな彼女が兄の恋人で、瑠璃はそれを知ってても片思いを諦められない。

 恋愛に奥手で、想い人とは密着の距離で平行線な千雪から見れば……兄を巡る年上の少女たちは、灰色で塗りつぶされた戦時下でも華やいで見えた。


「桔梗な、あんな……前から思っとったんやけど、自分めっちゃ趣味悪いなあ? 最悪やで、コーデがあかん、女子力の塊に見えてその実、ただの御嬢様やさかい全くなっとらん!」

「そ、そうですか」

「せやで? 桔梗みたいなさちうすそーな娘は男にもてはるかもしれん。けどなあ桔梗……よっしゃ! かわいくみせるで! ……って気合が、意気込みがないんや。ついでに知識とセンスもないな、うん」


 瑠璃という女、容赦がない。

 サングラスを取った桔梗は普段の眼鏡を取り出しつつ、ちょっと目付きが悪くなっているが怒ってはいないようだ。怖い副官とか横恋慕に激怒とか、普段の桔梗をよく知る千雪には結びつかないもので、それは誰もがそう思うだろう。

 因みに辰馬は、なにを話しているのか総司と耳打ちをしては苦笑いしていた。


「せやなあ、桔梗……ほな、一段落したらガールズトークやな。ウチの部屋でパジャマパーティや……したことないやろ? ってか桔梗、女友達全然おらへんやろ」

「……す、凄いです、瑠璃さん。どうしてわかるんですか? 皆さん、親切なんですけど」

「アホか……はぁ、張り合いないわあ。せやかて、黙って見てられんし。……あ! せやった、桔梗! 例の装備、組み上がってるで。フィッティングするさかい、来てぇな」

「あ、はい。意外と早かったですね。もっとかかると思ってましたが」


 瑠璃は「ほな、またな!」と、大胆にもブリッコ全開で辰馬に投げキス。総司がいる手前、桔梗はまだ肩肘張って敬礼をすると、二人で格納庫の奥へ行ってしまう。

 どうやら千雪がいない一晩の間で、外の世界の一週間で、二人は少しだけ距離を縮めたようだ。同じ人を好きになった者同士、そういうこともあるんだろうか? 意外と、トラウマを抱えて尚も戦う桔梗が、瑠璃には見ていられないものあるかもしれない。

 そう思って見送っていると、総司も目を丸くしていた。


「辰馬君、なかなか凄いガールフレンドたちだね」

「いやあ、そういうんじゃ……瑠璃は、そうじゃなくてですね、一尉」

「僕のことも総司って呼んでくれないかな? そっちの、ええと、千雪ちゃん。千雪ちゃんも、いいだろうか」


 どこまでお人好しなんだろうかと思ったが、戦友とは良好な関係性を築くにこしたことはない。先程は自分が子供じみた言葉で困らせてしまったが、総司がいい人であることは、それだけは確かで信じられるとは思った。

 千雪が頷くと、ホッとしたのか総司は笑顔になる。


「僕が辰馬君の指揮下に入る形でいい。頼むよ、隊長さん」

「おいおい、よしてくれよ……えっと、総司さん? 俺ぁ、そういうのは」

「僕はその方が気楽だし、この非常時で階級を持ち出しても意味ないさ。まあ、これから軍人としてやってくなら慣れることだね。……僕みたいに」


 ふと、総司の表情にかげりがさした。

 それを千雪は確かに見たのだが、本当に目撃したのか自分でも怪しい。すぐに総司はいつものほがらかな笑顔になって、辰馬と二言三言のやりとりを確認するや、自分の機体へと行ってしまった。

 その背を見送る千雪は、尻をポン! と辰馬に叩かれる。


「調子狂うぜ……でも、いるんだよな。軍人さんの中にも、話せる人がよ。な? 千雪。お前なあ、駄目だろあんな……気持ちはわかるけどよ、俺が我慢したんだ、お前もなんとかしてみせな? な?」

「努力する方向で考えてみることにしたいと思います」

「持って回るなあ、我ながらヤな愚妹だぜ。……うし! 行くか!」


 千雪が尻を触られた仕返しに、握った拳をブンと振り回す。だが、当てる気もないテレフォンパンチの小さなゲンコツは、いつもの飄々ひょうひょうとした兄の鼻先を掠める。

 辰馬は笑いながら自分の機体に……白亜に輝く改型壱号機へと戻っていった。

 千雪もまた、跪く己の愛機へと乗り込むべくきびすを返す。


「では、行ってきますね……統矢トウヤ君、れんふぁさんをお願いします」


 胸中に念じてから、言葉に出したくて独りごちる千雪。

 宵闇よいやみの中への決死の偵察行動が、この瞬間から始まろうとしていた。

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