魔物というもの
◇
「あ〜めよ!降っれ降れ!も〜っと降れ〜!」
ん?何の歌を歌っているかって?太◯の達人のヤマ◯イ☆ナ◯トパー◯ィーですが何か。
俺はメイドさんから無能と言われて森に転移された。
森って危ないイメージがあったんだけどね。思ったより太陽の光が入ってくるんですよ。めっさ綺麗な風景。
カメラに収めたい。スマホ鞄に入れたままだったんだよね。最悪やわ。
「にしても出口どこかな〜。最悪川のある場所でも良いんだけどさ」
移動し始めてから多分1時間くらい掛かったと思う。
太陽が頭の方にあるから今は午後1時なのかな。暑い…。
ガサガサ
「!?」
今さっき草木のあるところから音がした。何かがいるみたいだ。
俺は音がした所から少し離れ、茂みのあるところへ身を潜めた。
すると、
「ギシャギシャギャハハ!」
音がしたところから出てきたのは、身長120cm行くか行かないくらいの、緑色の小人?みたいのが出てきた。
その小人みたいなのが持っていたのは錆が入っている刃渡り15cmくらいのナイフだった。
小人みたいのが出てきた草木から5体の緑色の小人が出てきた。
1人1人持っている武器が違うらしく棍棒を持っている奴もいれば、枝を持ってる奴もいた。
確か俺のステータスの中に鑑定ってのがあった気がする。ちょっくら使ってみるか。
(鑑定!)
俺は心の中でそう唱えた。
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名前 ゴブリン Lv3
説明ゴブリン
殆どの個体が低身長で、身体が緑。顔は醜く、個体全てが雄なので、人族などの女性を襲い、子を孕ませる。
ゴブリンの精液はどんな生物の雌でも孕ませることができる、最低最悪な女の敵な魔物。
単体だとかなり弱いが、複数になると村などを軽く潰すことができる力がある。しかし低脳。
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種族やらレベル、説明などが俺の目の前に文字が現れた。
触ろうとしてみるが、空気を掴むみたいにすり抜けた。実体がないようだ。
ゴブリンって言うのかあのちっこいのは。説明には醜いって書いてたけどそんなことは…
「ブフッ!」
「ギシャ?」
ヤベェ吹いちまった。本当に顔が、顔が、顔がヤバかった。何あれ。
超絶ブサイク+超絶ブサイクX2=ゴブリンって感じのが頭に浮かんだんだけど。
確かゴブリンって妖精なんだよな?どっかの神話でそんな扱いだった気がするけど。あれは妖精じゃない。
BA☆KE☆MO☆NOだ。
ゴブリンは周りをキョロキョロしている。俺が吹いた場所を探しているようだ。
気付かれないように俺は足音をなるべく立てないで、移動したが、
パキッ
やべ。やっちまった。
「ギシャアアアアア!」
ゴブリンは俺に指を指し、吠えた。気付かれてしまったようだ。何で足下見なかったんだよ俺のバカ!
俺はゴブリンと距離を取る為、一歩ずつ後ろに下がった。それに応じるかのようにゴブリン共は俺に一歩近づいた。
一歩ずつ距離を取り続けていたら少し開けた場所に出た。
砂利があり水流があったから、川のあるところまで出たのだろう。
俺は足下のある握りやすい石を掴み、ゴブリン目掛けて投げる体制を作った。
投げたとしてもただの目眩しにしかならないが、投げないよりはマシだ。
「これでもくらえ!」
ヒュン!ブシャア!
「へ?」
「ギシャ?」
石がゴブリン目掛けて一直線に飛び、ゴブリンの頭を貫いた。
頭を貫かれたゴブリンはその場でピクピクと痙攣した後、ぶっ倒れた。
「嘘オオおおおお!?!?!?」
「ギャアアアアア!?!?!?」
ゴブリン共の声と俺の声が同時に発された。ゴブリンも突然起きたことにビックリしていた。
ゴブリン共は仲間の死体を少し見つめて、俺に刃や棍棒を向けてきた。
思ったより仲間の死を受け入れるんだな。精神力強いな、羨ましい。
「ギャシャアアアアアア!!!」
「うおい!」
ゴブリン共は俺に目掛けて走ってきた。
思ったよりゴブリンの足は速く、あっという間に俺の目の前までやってきた。
「ギシャア!」
「ヒッ!」
ゴブリン共は武器を俺に振りかぶってきた。俺は咄嗟に自分の頭に手を乗せ、某弾幕ゲームの吸血鬼が使用する行為、カリスマガードをした。
…何でカリスマガードしちまったんだろう。そのまま逃げればいいじゃんかよ。何やってんだろ、俺…。
それにしても死ぬ時って走馬灯が見えるらしいけど、見れないなぁ。1度だけでもいいから見たかったなぁ。
そう思った俺は生きるのを諦めて、目を瞑った。
ブン!バキッ!ブン!キンッ!ブン!ビャキッ!
何かが折れたような音がした。自分の骨が折れたかと思ったが、全然痛みは無く、目を開けてみたら、
「ギシャ?ギシャギシャ!」
ゴブリン共の武器が壊れていた。
ゴブリン共は自分の武器が俺に当てた瞬間に壊れて、動揺をしていた。
これはチャンスなんじゃね?
ゴブリン共が動揺している隙に俺はゴブリンの頭よりもデカい石をゴブリンの頭に打ち付けた。
ゴブリンの頭は潰れたトマトのように綺麗に潰れ、紫色の血が噴き出た。
俺は噴き出る紫色の血を被ってもそれを無視し、石を持ったまま他のゴブリンに叩きつけた。
ビシャ!
またゴブリンの頭は簡単に潰れた。
俺はその場で立ち、石を持ったままゴブリンに近づき、
「オラもういっちょだ!」
「ギュシャア!」
「オラくらえ!」
「ボシャア!」
持っている石を横に振り、ゴブリンの頭を連続で潰した。
そして俺は最後に残ったゴブリンを見て、
「お前で最後だな?歯ァ食いしばれこのヤロオオ!」
「ギャアアアアアアアア!」
ダッシュで近づき、石を振り上げた。
石はゴブリンの顎を直に当たり、2mくらい飛んだ。
「ふう〜終わったぜ。死ぬかと思ったけど、ステータスが異常だってこと忘れてたわ」
そう言いながら持っていた石を放り投げ、自分の体を見た。
「ヤベェなこれ…。めっちゃ返り血浴びてんじゃん。しかも結構臭い」
自分の服は紫色の血がびっしりと付いており、血の臭いが酷かった。
「川が目の前にあるからそこで上の制服洗うか」
俺はそう口にして、川に近づき、上の制服を洗い始めた。
川で服を洗うのは意外と難しく、なかなか血が落ちなかった。
「洗濯機ってめちゃくちゃ有能だったんだな」
洗濯板でもいいから欲しいなぁ。いっその事作っちまおうかな。
そう考えながら、俺は制服をゴシゴシしながら洗った。
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