第二のページ
僕の交友関係は酷く狭い。
その中でも、仲が良いと言える間柄の女の子が一人だけいる。
その
この街に殺人鬼が潜んでいる。
僕も、妹も、そんな話は聞いたことが全くなかった。
しかしながら叶ちゃんが言うには、誰もが知っている当たり前の話らしい。
何か、得体のしれない出来事が僕の身の回りに起きている。
そんな確信があった。
殺人鬼の話は、一体いつからあるのだろうか?
高校での授業が終わり駆け足での帰宅後、早速ネットを使って調べてみる。
どうやらその事件は以前から存在しているらしい。
僕らが住む地域を中心に活動する、決して捕まらない殺人鬼。
ネット上ではある種の都市伝説として有名らしく、いくつか詳細に分析しているサイトなども発見できた。
多くの人が被害者になったその恐ろしい話に危機感をつのらせるが、重要な事柄はそこではない。
僕は知らなかった。
いや、今までそんな話は一度も聞いたことがない。断言できる。
突然現れた不可思議な話。
そのきっかけは妹が僕の目の前に現れたこと。
あの日よりゆっくりと、確実に、世界は変化していってる。
妹にもこの突如現れた殺人鬼について尋ねてみたが、首を左右に振られてしまう。
知らないというよりさほど興味がないようにも思えた。
……妹が現れたことと、何か関係があるのだろうか?
この時、珍しく勇気を出した僕は直接妹に尋ねてみた。何かしたのか? と。
だが僕の想いとは裏腹に、妹はやはり知らないと返すだけで、そんな態度だからそれ以上問いただすことができなかった。
その日の夜に見たニュースの内容は、近所で起きた殺人事件のものだった。
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