夏フェス舞台裏02

 長いようで短かった夏フェスが呆気なく終わり、アイドルたちが呼んだ関係者やギリギリまで会場に残っていた観客も全員撤収すると会場には後片付けをするスタッフと二日間の日程を全て終え決してファンには見せられないほどに疲弊したアイドルたちとそのプロデューサーが残っていた。


「侑、よく頑張ったな」


 もう返事が出来ないほどに疲弊し空を見上げる事しか出来ていない土居侑にプロデューサーでありマネージャーでもある川野流はそのように労いの言葉を掛けた。


「夏フェスが始まってからは自分の事に集中しろと言ったのに色々と動き回っていたらしいな」


 スタッフから大きなトラブルこそなかったが小さなトラブルの度に侑が解決策を考えてくれたと聞いていた流は呆れながらもアイドルとしてだけではなく人間としても大きく成長していく侑を誇らしく思っていた。


「俺たちはもう少しだけ仕事が残っているからゆっくり体を休めていてくれ」


 流はそう言うと再び仕事に戻った。


 侑たちが見ていた夜空には雲一つなく、侑たちをそのまま写し取ったかのような無数の星たちが煌々と輝いていた。


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